/

東宝の18年2月期、営業減益予想でも高まる地力

東宝は14日、2018年2月期の連結営業利益が409億円になる見通しだと発表した。ヒット作品に恵まれ最高益となった17年2月期に比べ19%の減益予想だ。だが、同社は「映画は水もの」として堅めの業績予想を出す傾向がある。過去5年はすべて、営業利益の実績が期初見通しを上回った。2つの地力向上を背景に、今期も上振れの可能性が高そうだ。

「自社作品を強化していく戦略が結実した」。14日に記者会見した太古伸幸常務は17年2月期の営業利益が502億円と過去最高になった理由を問われ、こう胸を張った。興行収入が邦画として歴代2位になった「君の名は。」や「シン・ゴジラ」は、どちらも東宝が映画製作に絡む自社作品だ。製作費がかさむ分だけリスクも高いが、ひとたびヒットすれば高い利益率が見込める。

自社作品のヒット確率の高さは、同社の地力の1つだ。17年2月期は製作に絡んだ映画30本のうち10本が、ヒットの目安とされる興行収入10億円を超えた。近年は自社作品を着実にヒットにつなげ、そのたびに業績予想を上方修正してきた。「名探偵コナン」や「妖怪ウォッチ」など、一定の収入が見込める定番の作品が多いのも強みだ。

18年2月期はアニメ映画「メアリと魔女の花」などの作品を投入する予定。同社の期待は高いものの、今期の業績予想にはごく平均的な興行収入しか織り込んでいないとみられる。

もう1つの地力は映画館運営での利益率向上策だ。例えば、映像に合わせ座席が動いたり、風や水が出たりして臨場感を高める「MX4D」。入場料金が通常の座席の約2倍にもかかわらず、15年の導入以来、高い稼働率を維持している。こうした取り組みで、1スクリーン当たりの部門営業利益は13年2月期の約900万円から前期は1600万円強に増えた。

株式市場では「前期の業績は良すぎた」(いちよしアセットマネジメントの秋野充成氏)との見方が多く、東宝株は年初来高値を付けた1月6日から1割安い水準にある。ただ、堅めであるはずの今期の営業利益見通しは、前期の期初段階の予想(330億円)を24%上回る。これを東宝の自信の表れと捉えれば、株価には見直し余地も出てくる。

(丸山大介)

すべての記事が読み放題
有料会員が初回1カ月無料

関連企業・業界

企業:

セレクション

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
新規会員登録ログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
新規会員登録 (無料)ログイン
図表を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した図表はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン