高島屋の純利益3%増 18年2月期、訪日需要伸びる
高島屋は7日、2018年2月期の連結純利益が前期比3%増の215億円になりそうだと発表した。最終増益は2期ぶり。4月下旬に新たな大型免税店が都内で開業し、訪日外国人(インバウンド)消費が増える。不動産事業ではマンション販売が伸びる。
「中間層を中心に国内の消費環境は依然厳しい」。木本茂社長は決算発表の記者会見で話した。今期の収益を支えるのは「昨年後半から再び伸びが加速した」(同社長)インバウンド消費だ。
売上高にあたる営業収益は9430億円と2%の伸びにとどまるが、免税売上高は450億円と31%増える。増収分の大半は4月27日に新規開店する免税店で占める。JR新宿駅近くの「タカシマヤ タイムズスクエア」(東京・渋谷)にあり、ここだけで80億円の売上高を稼ぐ計画だ。
インバウンド消費の中心はブランドバッグや時計などの高額品から化粧品や日用品に移ってきた。高島屋は中国で普及するネット決済サービス「支付宝(アリペイ)」を全ての化粧品売り場で導入。外国人の買い物客の利便性を高め、百貨店全店の売上高を微減に食い止める。
営業利益は3%増の350億円と8期連続の増益になる見通し。社会保険の適用者が広がったため人件費は増えるが、宣伝費を絞り込む。昨年7月に新規出店したベトナムの百貨店の売り上げが通年で立ち、赤字幅が縮小する。
百貨店以外では、不動産事業が好調。今期は横浜市で200戸規模のマンションを販売し、収益に貢献する。玉川高島屋(東京・世田谷)や流山おおたかの森(千葉県流山市)などで運営する商業施設も利益を下支えする。
7日に発表した17年2月期決算は、営業収益が前の期比1%減の9236億円、営業利益が3%増の340億円だった。国内百貨店の落ち込みを経費削減で補った。前の期に計上したエイチ・ツー・オーリテイリングの持ち合い株売却益がなくなり、純利益は208億円と12%減った。