安哲秀氏、文氏を猛追 中道・保守の支持流れる

2017/4/7 1:18
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 【ソウル=鈴木壮太郎】5月9日投開票の韓国大統領選で、野党第2党「国民の党」の安哲秀(アン・チョルス)前共同代表が世論調査で首位を走る最大野党「共に民主党」の文在寅(ムン・ジェイン)前代表を猛追している。革新色の強い文氏に抵抗感がある保守・中道層の支持が、中道系の安氏に流れている。

 大統領選は文氏、安氏のほか、保守系第1党「自由韓国党」の洪準杓(ホン・ジュンピョ)慶尚南道知事、保守系第2党「正しい政党」の劉承●(日へんに文、ユ・スンミン)議員ら6人が出馬している。

 保守系大手紙の中央日報が4~5日実施した世論調査では、文氏の支持率は38.4%と、依然首位を走る。ただ、前回調査(3月18~19日)と比べると3.7ポイントの上昇にとどまった。一方、安氏は34.9%と、前回調査の13%から急伸した。

 背景には、前回調査で支持率2位だった安熙正(アン・ヒジョン)忠清南道知事が共に民主党の予備選で敗退したことがある。安熙正氏は革新系ながら、中国が反対している米軍の地上配備型ミサイル迎撃システム(THAAD)の韓国配備について、米韓政府間の合意を尊重し実施すべきだと主張するなど、現実的政策を提唱してきた。

 共に民主党の予備選では文氏が選出されたが、その後安熙正氏の支持者は文氏でなく安哲秀氏に流れている。中央日報の調査では6割が安哲秀氏に向かい、文氏に回ったのは2割にとどまった。

 文氏、安氏2人の直接対決になる場合、どちらを支持するかの設問では、安氏が50.7%、文氏が42.7%と支持率が逆転。韓国ニュース専門テレビYTNの調査でも同様の結果が出た。北朝鮮への融和路線を取る文氏を警戒する保守層など「非文在寅」票が流れ込む構図が鮮明だ。

 安氏は世論の追い風に自信を深めている。6日の記者会見で保守系政党との候補一本化について「連帯はしない。このまま突破する」と語り、明確に否定した。

 安氏はTHAAD配備については「国家間合意を尊重すべきだ」と明言し、安保重視の姿勢を明確にした。「次期政権が決めるべき問題」と態度を曖昧にしている文氏との違いを強調した。

 また、従軍慰安婦問題の「最終的かつ不可逆的な解決」をうたう2015年の日韓合意については「元慰安婦の意見を聞かずに国家が一方的に決めたことだ。意見を反映させて直さなければならない」と語り、再交渉が必要との立場を示した。

 文氏陣営も、安氏の追い上げを受け保守層の取り込みに動き始めた。公認候補になって最初の日程でソウルの国立墓地を訪れ、朴正熙元大統領など歴代大統領の墓を参拝した。12年の大統領選の際は民主化運動のリーダーだった金大中元大統領だけ墓参していた。

 6日は全羅南道光陽市にあるポスコの光陽製鉄所を訪問。産業界との関係を重視する姿勢も示した。政治の変革を求める革新勢力から熱烈な支持を受けているが、安哲秀氏の追撃を受け、支持層を広げたい考えだ。

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