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相場のそもそも(4)為替レート 何が決める 経常収支より金利差

「強すぎるドルは我々を殺している」「日本は通貨安誘導をしている」――。トランプ米大統領の誕生以来、不規則発言に為替ディーラーの眠れぬ夜が続く。一物一価ならぬ、相対的関係で決まる為替レートは、いかにして決まるのか。

何事につけ、価格の最終決定要因は需給だ。外為市場でも、その通貨を欲しい人が多ければ価格は上がり、人気薄なら価格は下がる。だが、需給バランスには経済・政治要因が複雑に絡み合い、局面に応じて軽重も変わるから厄介だ。

今の為替の最も旬な要素といえば「トランプ相場以降は日米金利差」(三井住友アセットマネジメントの市川雅浩氏)だ。低金利通貨で資金を調達し、高金利通貨で運用すれば利ざやが稼げる。トランプ氏の掲げる財政出動が米国の景気拡大、金利上昇を招くとの見方から、選挙後に米長期金利は急騰した。日米の10年物国債の利回り差は、選挙前の1.9%弱から12月半ばには2%台半ばに拡大。これが円を一時1ドル=118円台まで押し下げた。

すると株式市場で広がる決まり文句が「輸出企業の採算改善期待で株価上昇」。例えば米国子会社の稼ぎ1億ドルが118億円で換算されるか110億円になるかの差は大きい。

この「外国での稼ぎ」はより長い目で見た為替のモノサシになる。貿易や投資で稼ぐ国の通貨は高くなるのが基本。稼いだドルを最終的に円に替える際、円買い需要が発生するからだ。1990年代半ば、80円割れまで円高が進んだ背後に巨額の貿易黒字があった。

一段と長いモノサシが「ビッグマック指数」で有名な購買力平価。貿易が完全に自由な世界では同じモノは同じ価格になるはず。それを出発点に購買力から見た為替の理論値を探る。長期的にはそのレベルに収束することで知られる。推計では、1ドル=100円程度だが、果たして……。

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