米市場の変調、自動車業績に重荷 販売減速・膨らむ奨励金

2017/4/5 23:22
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 自動車各社が世界で2番目に大きい米国市場の変調に直面している。3月の米新車販売台数は、3カ月連続で前年割れ。高水準の販売奨励金や中古車価格の動向も不安の種で、業績面の重荷になりかねない。5日の東京株式市場ではトヨタ自動車日産自動車ホンダが年初来安値をそろって更新し、昨年後半からの「トランプ・ラリー」の効果を打ち消しつつある。

 「米国はパーフェクトストームの様相」。ゴールドマン・サックス証券は4日付のリポートで、トヨタや日産、ホンダなどの2018年3月期の営業利益予想を下方修正した。担当アナリストの湯沢康太氏は、米市場の競争激化や中古車価格の下落、米新政権の通商政策などを列挙し、「未曽有の大嵐」と表現した。

 米調査会社オートデータが3日にまとめた3月の米新車販売台数は前年同月比で2%減少した。年率換算した市場規模は1662万台。1700万台を割り込むのは、昨年6月以来となる。

 米国は日本メーカーにとっても重要な市場だ。17年3月期の北米販売が占める割合はトヨタが32%、日産が37%、ホンダが40%の見通し。米市場は多目的スポーツ車(SUV)やピックアップトラックなど利幅が大きい大型車が全体の6割超を占め、採算面での貢献も大きい。

 需要が頭打ちになる中で販売奨励金が増加する。オートデータによると、3月の1台当たり奨励金の業界平均は前年同月比15%増の3563ドル。トヨタや日産なども2桁増えた。

 中古車にも不安の種がある。中古車価格が下落すれば下取りに出す車の価値が減少して買い替えが難しくなり、新車販売の重荷になるためだ。新車販売に占めるリース車両の割合は08年に約10%だったが、足元では約30%に上昇。16年に米国で満期を迎えたリース車は12年の2倍の300万台超となり、18年には400万台を上回る見通し。

 中古車価格が下落すると、販売金融を手掛ける子会社のリース資産も毀損する。ナカニシ自動車産業リサーチの試算では、中古車価格が平均10%下落すると、トヨタ、日産、ホンダの大手3社合計で償却費が年3357億円増える。中西孝樹氏は「中古車価格の下落が強まれば、米国事業は悪循環に陥りかねない」と指摘する。

 ただ、国内の16年度の新車販売台数(軽自動車を含む)は3年ぶりに増加に転じた。排気量が660cc超の登録車は大台の500万台を回復。東南アジア主要6カ国の2月の新車販売台数も前年同月比13%増え、所得の向上に伴い市場として魅力を増しつつある。成長著しい新興国の需要を取り込めば、収益の支えになる。

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