変革へ新社会人緊張 各地で入社・入庁式

2017/4/3 14:36
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新年度最初の平日となった3日、各地で入社式・入庁式が行われた。不祥事などに揺れた官公庁や企業では、新社会人らが緊張の表情で決意を新たにした。避難指示が解除されたばかりの福島県の自治体では、ふるさとの復興に向けて本格的な業務が始まった。

■難題解決の力に 豊洲・五輪抱える都庁

豊洲市場の移転問題や、2020年の東京五輪・パラリンピックの開催準備など重要案件を抱える東京都。「入都式」は3日午前、東京芸術劇場(東京・豊島)で開かれ、スーツ姿の新入職員が緊張した面持ちで参加した。

今春の新人職員は、五輪などをにらみ前年より約200人多い約2260人。就任後初の入都式となった小池百合子知事は「日本最大の都市の東京は抱える問題も大きいが、やりがいも大いにある」「『都民ファースト』の視点で、都民の声に真摯に耳を傾けているか自らに問いかけてほしい」と呼びかけた。

代表して宣誓した下水道局配属の豊田和希さん(22)は「技術者として東京を魅力的な街にするために努力を重ねていきたい」と力強く語った。ある男性職員(23)は「山積する難題を解決する力になれるよう早く先輩職員に追いつきたい」と話した。

■変わろうとしている 過労問題に揺れた電通

昨年度、新入社員の過労自殺問題に揺れた電通本社(東京・港)前には午前9時すぎ、新入社員が続々と姿を見せた。

同社では昨年12月、労働基準法違反容疑で幹部が書類送検された。会社は長時間労働の見直しなど働き方改革に取り組んでいる。

この日の入社式は非公開。会場に向かう男性新入社員(22)は「(入社前に)会社側からは労働時間の管理の徹底について丁寧な説明があった。過去には問題もあったが、着実に変わろうとしているのだと思う」。女性新入社員(23)は「会社として大きな課題に向き合っている時期だと思う」としながらも、「これだけ問題になっており、同じようなことはもう起きないのではないか」と話した。

■盛り上げたい 福島・川俣町役場

東京電力福島第1原子力発電所事故に伴う避難指示が3月末になくなった福島県川俣町役場でも、新入職員らへの辞令交付式が開かれた。

式が開かれた町庁舎は東日本大震災で壊れ、解体した旧庁舎の跡地に再建し、昨年11月に開庁したばかり。辞令交付式で佐藤金正町長は「職員には運命共同体として連携を高めてほしい」と訓示した。

辞令交付式後、新人職員6人全員が町長室で服務宣誓。同町出身で、町民税務課配属の佐藤耀さん(22)は、大学で農村地域などの街おこしを学んだ。実家は兼業農家だ。「震災の時こそ農家が作った物がないと困る。大学の知識を役立てて、地元を盛り上げたい」と力強く話した。

同町では最後まで避難指示が出ていた山木屋地区が3月31日に解除された。町は3日午後から同地区にある役場の出張所を再開し、住民票の発行などの業務を始める。同地区には6月、復興拠点である商業施設「とんやの郷」が開業する予定だ。

■信念を胸に職務まい進 天下り逆風下の文科省

組織的な再就職あっせんが問題になった文部科学省では午前9時すぎから入省式が行われた。同省はあっせんの経緯を検証した最終報告と、幹部職員らの処分を公表したばかり。"逆風"のなかでのスタートに、62人の新入職員はやや硬い表情で式に臨んだ。

旧庁舎内の講堂で開かれた入省式で松野博一文部科学相は「信頼回復に向けて省をあげて取り組んでいる」と述べる一方、「皆さんが萎縮する必要はない。理想と初心を忘れず元気に働いていただくことを期待している」とエールを送った。

新入職員代表の伊藤充哉さん(22)は「困難を乗り越え良い仕事をなし遂げるために、常に広い視野を持ち自己の信念を胸に抱いて職務にまい進する所存です」と、緊張した面持ちで抱負を語った。

新入職員はこの日から各部署に配属される。4月中は研修を受けながら通常業務にあたる。

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