2018年12月14日(金)

文科省天下りで37人処分 最終報告、違法事案62件に

2017/3/31 1:18
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文部科学省による組織的な再就職あっせん問題で、松野博一文科相は30日、国家公務員法に違反する行為があったなどとして、歴代事務次官8人を含む37人を処分したと発表した。2月の中間まとめ以降、同省の調査で新たに27件の違反が判明。違法事案は2010~16年の計62件となった。うち半数で仲介役のOBを経由せず、現役職員が直接関わっていた。

同省はこれらを盛り込んだ最終報告を29日、政府の再就職等監視委員会に報告した。1月に公表した分を含め、天下り問題での処分者は計43人。同省では過去最多となった。最終報告では2月の中間まとめで違反が確認できないとしていた8件も違法と認定した。

松野文科相は30日、記者会見して謝罪し「国民の信頼を失ったと感じている。文科省の組織風土を改める」と述べた。同省の問題を受け、内閣人事局も全省庁の国家公務員の天下りの実態調査を進めている。

今回処分された37人のうち懲戒処分は16人。前川喜平、山中伸一、清水潔各氏の歴代事務次官を含む5人が最も重い停職(退職者は停職相当)で、11人が減給や戒告。戸谷一夫事務次官ら21人が訓告や文書厳重注意となった。駐ブルガリア大使を務める山中元次官は30日、岸田文雄外相に辞意を伝えた。

再就職の仲介役だった人事課OBの嶋貫和男氏は関与が退官後だったため処分対象から外れた。

国家公務員法は職員が退職者の再就職をあっせんすることなどを禁じている。

最終報告は、08年末に再就職規制が厳しくなったことへの対応として、OBによるあっせんは違法ではないと軽く考えたことで、組織的なあっせんが始まったと指摘。再就職に関する情報は嶋貫氏や別のOBなど様々なルートを通じて人事課や現役職員に伝えられた後、人事課で集約され、意見を聞き調整するために事務次官らと共有することもあった。

今回新たに判明した27件のうち、12年11月にOBが在籍する金融機関が文科省に後任人事の相談をしたケースでは、相談を受けた人事課職員が嶋貫氏に報告。金融機関側との窓口になり、別のOBが就く人事案を幹部らに報告していた。私立大学の振興や助成に関わる私学部長は15年1月、旧知のOBから再就職の希望を聞き、私大に人事情報を提供していた。

同省の調査で明らかになった人事課内の引き継ぎ書類には再就職先を決める手順が記され、この中で嶋貫氏は「某氏」と名前をぼかして書かれていた。政府の再就職等監視委員会の調査に虚偽の回答をする手法も継承されていた。

一方で、違法とされた62件の半数は嶋貫氏を介さず現役職員が直接関わっていた。外務省職員や経済企画庁(現内閣府)元職員の再就職先について、人事課長が大学と情報をやりとりしていた。

文科省の調査班は関係する職員らにヒアリングを計309回実施。調査班によると、処分を受けた職員の一部は違法性を認識していたが、「やめた方がいい」と主張した者はいなかったという。

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