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全農「改革で変化」前面に 分野ごとに高い目標

全国農業協同組合連合会(JA全農)の構造改革が動き出した。分野ごとに高い数値目標を並べて「変わる全農」を前面に打ち出したが、目標への道のりが見えづらい部分も多い。改革の実現にはなお課題が残る。

全農の成清一臣理事長は28日の記者会見で「開き直らず、手を抜かず、この案をつくった」と自信を見せた。

農業資材の改革では2019年度から全国で中古農機の販売を始める。コメ農家の生産コストの2割を占める農機の価格は韓国の最大1.6倍。農機はクボタやヤンマーホールディングスなど大手4社の占有率が高く、手厚い補助金と相まって農家は新品を買うのがふつうだ。国内製の農機販売で3割のシェアを持つ全農が中古販売に動けば農家のコスト負担は軽くなる。22年度に販売を目指す後発農薬も農薬メーカーの開発費を格段に抑える効果がある。

価格が韓国の最大2倍になる肥料でも銘柄数を大幅に減らす改革を打ち出した。もっとも肥料によって作物の生育に大きな差が出ないにもかかわらず、他の産地との差別化のために銘柄数を増やしてきた経緯があるだけに、現場からの反発が予想される。

改革の目玉と位置づける「外部人材」の受け入れでは、農産物販売を担う役員にセブン&アイ・ホールディングス傘下のイトーヨーカ堂の前社長である戸井和久氏を起用する。青果部門の経験が長い流通のプロへの期待は高く、全農には戸井氏の知見を生かす環境づくりが求められる。

ただ今回の改革の影響はJAグループ内にとどまらない。多くの関連業界と取引があり、揺り戻しの動きに注意を払う必要がある。改革では小売りや外食へのコメの直接販売量を年間80万トンから24年度に180万トンに引き上げる方針を打ち出した。全農と取引するコメ卸への影響は大きい。200~300社ある取引先は大幅に削減される可能性が高い。

コメの流通改革は大きく前進する内容だが、評価はまだ早い。自民党の小泉進次郎農林部会長は「改革をやりますというアリバイづくりかどうかはこれから問われる」とクギを刺している。

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