デンソーなど13社、トヨタ超え ベア1400~1500円

2017/3/16 7:05
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トヨタ自動車のグループ各社の2017年春季労使交渉は15日、集中回答日を迎えた。ベースアップ(ベア)相当額はデンソーなど主要14社のうち13社がトヨタの月1300円より多い月1400~1500円で妥結し、トヨタを超えない慣例が崩れる形となった。豊田自動織機アイシン精機グループは、トヨタと同様に家族手当の前倒し原資も別に盛り込んだ。グループ内の賃金格差の是正は一歩前進した。

トヨタ自動車労働組合の鶴岡光行執行委員長

トヨタ自動車労働組合の鶴岡光行執行委員長

「『トヨタ超え』の組合数が昨年を上回っているのは率直に評価したい」。トヨタグループの労組でつくる全トヨタ労働組合連合会の金子晃浩事務局長は同日の記者会見でこう述べた。トヨタの15日正午時点の集計(対象63社)によると、過半数の32社が月1300円超のベア実施を回答した。

トヨタ自動車の上田達郎常務役員

トヨタ自動車の上田達郎常務役員

デンソーなど主要14社のうち12社が月1500円、日野自動車は月1400円と、トヨタを上回る回答が相次いだ。トヨタグループの春季労使交渉は、主要各社のベア実施額がトヨタ本体以下となるのが半ば慣例で、16年は爆発事故のあった愛知製鋼などを除く12社が月1500円で横一線だった。豊田合成は前年の月500円から月1000円に引き上げた。

トヨタの回答は、定期昇給に相当する賃金制度維持分月7300円を含めた月9700円。うち月1300円がベアに相当する。残る月1100円は家族手当を前倒しで実施する原資で、時限的に賃金を引き上げる効果がある「ワンショットベア」(上田達郎常務役員)という位置づけだ。

トヨタは21年までに月1万9500円の配偶者手当を廃止し、子どもなど1人あたりの手当を月5000円から2万円に引き上げて家族手当とする移行措置を段階的に進めていた。このうち家族手当の支給額をこの4月から一気に2万円まで引き上げる。

グループのうちデンソーなど4社は、トヨタのワンショットベアに相当する金額月700~800円を回答した。豊田織機とアイシングループは家族手当の導入を前倒しする方針で、デンソーとトヨタ車体は「今後どう支給するかを組合と協議する」としている。

部品メーカーのベア実施額がトヨタ本体を上回ったことで、「トヨタを超えても問題ない」という空気がグループ内に広がれば賃金是正が一段と進む可能性がある。もっとも定昇分がトヨタよりも小さい中小零細では、ベアの水準がトヨタと同額でも格差が開く。

17年は全トヨタ労連に加盟する127の製造系組合のうち、65組合がトヨタ労組の月3000円を上回るベアを要求した。「賃金の底上げが進めば(格差是正の取り組みを)評価できる」(金子氏)。全トヨタ労連は加盟労組の回答状況の集計作業を進めている。(横田祐介)

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