北海道電に衝撃 規制委、泊周辺の活断層「想定すべき」

2017/3/11 7:01
保存
共有
印刷
その他

原子力規制委員会は10日、北海道電力泊原子力発電所(泊村)の周辺海底に、活断層の存在を想定すべきとの見解を示した。周辺の活断層を認めてこなかった北電の従来主張を否定した形だ。異例の指摘に「初耳だ。寝耳に水」(大井範明取締役)と北電は衝撃を受ける。一方で、北電が活断層の存在を認めれば、膠着が続く再稼働審査が動き出すきっかけになる可能性もある。

規制委は泊原発から10キロメートルほどの海底に長さ20キロほどの活断層があるとの見解を示した。規制委は2015年12月に泊3号機の地震の最大の揺れ(基準地震動)について、おおむね了承していたが、これも再検討が必要になるとの姿勢を示している。

北電は「少し検討して我々の見解をまとめたい」(大井取締役)としているが、再稼働の是非を判断する立場の規制委の指摘を覆すことは事実上困難だ。規制委の石渡明委員は「地震性を否定するのは難しい。今後は積丹半島西岸に活断層があると想定したい」と発言。今後は活断層の存在を前提に、審査が進むとみられる。

周辺地形の成り立ちについて「(活断層の存在を認める)地震性のものではない」とする北電の主張を、規制委は15年にいったんは大筋了解していた。今回、主張を否定された北電は「影響がないとは言い切れない」と話す。活断層が起こす地震の大きさによっては、基準地震動だけでなく、敷地内で最大12.63メートルとしている津波の高さも見直しを迫られる。あわせて、設備の耐震性などの強化も必要になる可能性がある。

一方、別の見方をすれば、膠着していた泊原発の再稼働に向けた審査が動き出すきっかけともいえる。16年7月に石渡委員が積丹半島西岸の地形を視察し、地震を成因とする地形に似ていることを指摘してから、審査では地震によってできた地形ではないとする北電の主張の是非が問われ続けていた。

16年10月以降、新たな審査会合は4カ月以上開かれていなかった。規制委自らが具体的な活断層の存在を提示したことで、北電が従来の主張を転換すれば、膠着していた審査の方向性が見え始める。

高橋はるみ知事は10日の記者会見で「しっかりと規制委員会において審査を継続していただくのが何より重要。北電には審査に真摯に対応してもらう必要がある」と話した。

6年前の東京電力福島第1原子力発電所の事故後、泊原発は12年5月に全機が停止した。その後、審査が続いているが、再稼働のめどはたっていない。

保存
共有
印刷
その他

関連企業・業界 日経会社情報DIGITAL

電子版トップ



[PR]