ベトナムの電子商取引市場、今後5年で2.5倍に
【ハノイ=富山篤】ベトナム電子商取引協会(VECOM)はベトナムの電子商取引(EC)市場が2022年までに現在の2.5倍となる100億ドル(約1兆1400億円)に拡大するとの試算を発表した。スマートフォン(スマホ)の普及でEC利用者が急増。交流サイトのフェイスブック(FB)を使い、自ら売買する個人も増えている。
ベトナムの現在のEC市場は40億ドル。日本のEC市場(約14兆円)の30分の1にすぎないが、2割前後のペースで毎年伸びている。けん引役は利用者が4千万人近いとされるFBだ。ベトナム人は1千人単位で友達とつながる人が多く、「友達の友達なら」と安心して買う人が増えている。FBのベトナム法人のヒュイン・キム・トゥオック氏によると「年商100万ドルを超す個人が50人以上はいる」という。
ベトナム人の1人当たり年間EC消費額は16年で約160ドルと前年比22%増えた。輸入衣料品、家電など価格の高い物が目立ってきた。物流の問題があったが、タクシー配車アプリのウーバーと同じ方式で配送業者を選べるアプリも登場。配送網も整ってきた。
ベトナム政府はECで販売する人に課税する検討を続けている。ただ、販売者による自己申告が前提となるため、実際に課税するのは難しい。