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関西地銀3行、経営統合を発表 重複少なく相互補完 迅速な統合作業欠かせず

2017/3/4 9:17
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 関西アーバン銀行と近畿大阪銀行、みなと銀行の3行は3日、2018年4月の経営統合で基本合意したと発表した。規模の拡大と経営効率化で収益力が増せば、よりリスクを取った地元企業への融資も可能になる。ただ統合効果を出すための具体策の検討はこれから。超低金利の逆風を乗り切り、関西経済の発展につなげるには迅速な統合作業が求められる。

 りそなホールディングス(HD)が過半を出資する中間持ち株会社が地銀3行を傘下に置く。三井住友フィナンシャルグループ(FG)は中間持ち株会社を持ち分法適用会社とする。地銀3行の資産規模は単純合算で11兆4800億円と2位の京都銀行の1.4倍、関西地銀10行のうち3割弱を占める関西メガ地銀が生まれる。

 「中小企業や個人を中心に関西最大のネットワークができる。関東よりも層が厚い中小企業が成長エンジンになる」。大阪市内で3日開いた記者会見でりそなHDの東和浩社長は互いの店舗網や顧客層を活用した方向性を強調した。

 3行の組み合わせは重複が比較的少なく、補完し合える部分も多い「理想的な関係」(東社長)。関西アーバンは不動産向けが強く、融資先は滋賀にも多い。近畿大阪とみなとは大阪と兵庫の中小企業との取引が多い。東京商工リサーチによると3行をメインバンクとする企業は延べ2万2872社で、そのうち3行とも取引があるのは66社にとどまる。

 店舗網ではみなとの106店のうち大阪府内は4店だけだ。関西アーバンは155店のうち兵庫県内は9店、近畿大阪も118店のうち同県内は8店しかない。3行は顧客の相互紹介などを通じ、取引先の販路拡大やM&A(合併・買収)を支援しやすい。「販路や資材調達先の拡大が見込める」(みなとがメインの兵庫県小野市の金属加工業)と歓迎の声が上がる。滋賀県東近江市の化学会社の経営者も「商談会などで規模拡大のメリットを生かしてほしい」と期待する。

 統合効果を最大化するには経営の効率化も欠かせない。店舗の統廃合などを進め、捻出した人員や資金を貸出先の開拓などに回すことも必要だ。まずは大阪府内で店舗が多い関西アーバンと近畿大阪の合併を検討する。関西アーバンの橋本和正頭取は「大阪府内では近畿大阪と関西アーバンの約40店が近隣にあり、効率化に向け協議したい」と述べ、店舗集約を検討する意向を示した。

 みなとには「独立性を維持してもらう」(東社長)方針とするものの、「舞台裏では一緒」(同)とし、3行で異なるシステムの統合も示唆した。

 もっとも統合作業に多くの時間を割く余裕はない。「経済の成熟やマイナス金利で競争は激化している」(三井住友銀行の国部毅頭取)。日銀のマイナス金利政策により、基幹業務である貸し出しによる収益は低迷。みなとの資金の運用利回りと調達利回りの差である「総資金利ざや」は16年4~9月期にマイナス0.01%(前年同期はプラス0.04%)となり、逆ざやとなった。

 地元の関西経済は元気がない。「企業に設備投資の意欲はあるが、不透明な海外経済をみて慎重になっている」(近畿大阪の中前公志社長)。「今は資金需要がないので、影響はない」(大阪市内のシステム開発会社)と冷めた声も聞かれた。

 関西の14年の事業所数は97万4000カ所と、01年と比べて7%減った。ベンチャー企業などへの融資には一定のリスクが伴う。経営統合によって収益力が増せば、こういったリスクにも対応できる。また事業承継の支援も情報網が広がれば、手掛けやすくなる。

 こういった効果は統合作業が順調に進んでこそ発揮される。今回は三井住友FGとりそなHDの系列を超えた統合であり、新会社には1995年から振り返れば、10行が一緒になる。地場経済の発展に貢献するにはそれぞれのエゴを捨てた速やかな統合が必要だ。

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