九州電力川内原子力発電所2号機(鹿児島県)が23日に運転を再開した。同県の三反園訓知事は昨年12月の1号機に続き、再稼働を事実上容認。就任後まもなく原発の即時停止を要請したが、現在は県の原発専門委員会を後ろ盾に「(専門委が)問題があるとした場合は強い対応を取る」との姿勢だ。県議会は原発容認派が多数を占め、円滑な県政運営のために現実路線を強めている。
「専門委で熱心で活発な質疑応答が交わされた結果、問題があるとの意見は出なかった。現状では強い対応を取る必要はないと判断している」。22日の県議会定例会。最大会派である自民党県議団、長田康秀議員の代表質問に知事はこう答弁し、川内1号機の運転継続を事実上容認した。
三反園氏は昨年7月の知事選で保守層から反原発派まで幅広い支持を得て当選した。公約を受けて川内原発の即時停止を2度要請したが九電は応じず、その後は原発停止への言及が減少する。
「私に原発を稼働させるか稼働させないかの権限はない」などとし、昨年12月に1号機の再稼働を事実上容認。原発の安全性の確認を昨年末に設置した専門委に任せた。専門委は1号機について「熊本地震の影響はなかった」とする意見書を今月16日、県に提出した。
就任後初の当初予算案を巡る審議はこれから本番を迎える。主要施策の一つに掲げる子育て支援、意欲を示すドーム球場の実現可能性を検討する委員会設置などの関連事業費を盛り込んでおり、提案通り議決してもらいたいところだ。知事選では反原発票を取り込んだことが一つのカギになったが、今定例会は原発容認派が多数を占める県議会との信頼関係づくりの大きな山場。事実上容認はそうした方程式への解にも見える。
長田議員の質問に知事はこうも答えた。「引き続き、県民の安心・安全に全力で取り組む。(原発に)問題があるとなった場合、強い対応を取ることに変わりはない」
運転継続や再稼働を容認する一方、知事は原子力防災の充実・強化を強調する。「安心して生活できる鹿児島、防災で日本一に!」は公約の柱の一つ。当初予算案には空間放射線量を計測するモニタリングポスト増設の関連事業費や、原発専門委を継続して開くための事業費を計上した。
「自然再生エネルギーを推進し、原発に頼らない社会をつくるために全力を尽くす。その方針にも全く変わりがない」。22日に知事は報道陣に語った。当初予算案には再生可能エネの導入促進に向けた新たなビジョンを策定するための事業費も計上。「鹿児島を自然再生エネルギー県に変身させる」道筋をどうつけるのか。具体的な施策が待たれる。