狭山茶 捨てていた二番茶、抹茶に 埼玉県が製造技術確立

2017/2/23 7:01
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埼玉県は2017年度に狭山茶の二番茶葉を有効活用して抹茶の製造技術を確立し、生産者への普及を目指す。県茶業研究所(同県入間市)に抹茶の製造設備を導入する。資材を購入する生産者に補助金を出すほか、消費者への販促策を探る。価格が低いとの理由からほとんど捨てられていた二番茶を菓子類向けの抹茶に加工し、生産者の収益拡大を後押しする。

茶葉は摘み取る時期の違いから一番茶と二番茶に分けられる。5月上旬から下旬に摘む一番茶は上級煎茶用の需要が大きい。二番茶は6月下旬から7月中旬に収穫する。一番茶に比べて葉が硬いなどの理由から中~下級茶扱いとなり、全国的に価格が低迷している。

翌年の生産に備え、二番茶の刈り取りは必要。安値でしか売れない二番茶を煎茶などに加工すると手間やコストに見合わないなどの理由から、生産者は二番茶を刈り取った後、その多くを畑に捨てている。

15年の県内の茶の栽培面積は全国9位の890ヘクタール。だが、ふるい分けする前の1次加工の荒茶生産量は12位の598トンと、二番茶葉の廃棄は順位を下げる要因にもなっている。高齢化の影響もあり総生産量も減少傾向だ。

そこで県が着目したのが抹茶だ。国内外でケーキやチョコレートの原料向けに人気が出ており、二番茶を抹茶の原料に活用することにした。県内で抹茶を製造している生産者は1軒のみ。意欲ある生産者に食品加工業者の要望に合わせた抹茶を製造してもらい、収入増に役立てる。

県は県内の気候に合った加工技術を実証するモデル施設として県茶業研究所の工場を改修し、茶葉を乾燥させる機械や粉砕する石臼を整備する。職員を抹茶の名産地に研修で派遣する。狭山茶の茶葉の特徴に合わせた栽培、加工技術も研究し、生産者に普及させる。

抹茶向けの茶葉は日光を遮る資材で覆って栽培するため、生産者に被覆資材や作業用機械の購入費を補助する。一番茶を収穫した後、二番茶を収穫する前の3~4週間覆うことで、二番茶を抹茶に利用できるという。

狭山抹茶の需要掘り起こしを狙った販促活動にも力を注ぐ。パンフレットや外国人に説明するためのマニュアルを作り、生産者や日本茶インストラクターなどがPRに生かせるようにする。

国の地方創生拠点整備交付金を使い、16年度補正予算案と17年度予算案に事業費計1億2480万円を計上した。県生産振興課は「今までになかった挑戦で、産地の活力を向上させたい」としている。

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