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東京23区、ふるさと納税で減収200億円超

来年度、返礼競争に苦言

「ふるさと納税」による東京23区の税収の減収額が2017年度には207億円に達する見込みだ。16年度も129億円と15年度の5.6倍の減収を見込むが、17年度はさらに6割増えることになる。各区からは善意の寄付との趣旨は理解しつつも、返礼品競争の過熱を疑問視する声が噴出。対策を検討する動きも出つつある。

22日に出そろった各区の17年度予算案に盛り込んだ額を聞き取った。ふるさと納税は生まれ故郷や愛着のある自治体に寄付する代わりに税負担が軽くなる制度。豪華な返礼品を用意する自治体が相次いでいるのに加え、優遇枠の拡大や手続きの簡素化で利用者が急増。その分、都内各区では税収が目減りする「反作用」が起きている。

17年度の減収額では最大の世田谷区が16年度比8割増の30億円。港区が5割増の23億4千万円、渋谷区が2倍近い14億6千万円と続く。10億円を超す区も16年度は世田谷と港だけだったが、17年度は江東、杉並、大田を含め6区に増える。

都区部は返礼品競争から距離を置くケースが多いため、受け取る寄付の額も少ない。墨田区は「すみだ北斎美術館」開館支援で16年度に減収分を上回る寄付を受けるが、こうした例は限られる。

ふるさと納税で税収が減ると国が減収分の75%を地方交付税で補填する仕組みはある。しかし23区は交付税を受けておらず、減収の影響がそのまま出る。渋谷区の長谷部健区長は「直接区の収入が減ってしまうので痛い」と強調。他の区長からも疑問の声が相次ぐ。

対策に乗り出す区も目立ってきた。中央区は区内在勤者にインターネットを通じてふるさと納税に関する意向を調べ、今後の対応の検討材料にする。葛飾区では4月から返礼品導入の検討を始める。

中野区は昨年10月から交流のある自治体の特産品を返礼品として寄付を募り始めた。ただ田中大輔区長は「おずおずと参戦しているが、あまり数字は上がらない。ふるさと納税を是として取り組むところまでは考えられない」と頭を悩ませる。

高額返礼品には批判も多く、高市早苗総務相が是正を促す方針を示す。ふるさと納税制度が今後どこに向かい、税収にどう響くか。各区は固唾をのんで見守っている。

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