2019年3月23日(土)

大阪府17年度予算案3兆865億円 万博・IR誘致へ準備加速

2017/2/18 6:02
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大阪府は17日、一般会計を3兆865億円とする2017年度当初予算案を発表した。インバウンド(訪日外国人)対策や交通網整備に加え、25年の国際博覧会(万博)、カジノを含む統合型リゾート(IR)を誘致する施策に配分した。関西の成長に向けた布石を打つが、収入不足が続くなか、2つの巨大事業による財政悪化のリスクも抱える。

一般会計は16年度当初比6%減で減少は2年連続となる。大阪市立小中学校の教職員人件費1479億円が府から市に移る制度改正の影響を除くと実質2%減となる。

松井一郎知事は同日の記者会見で、万博とIRについて「成長のための2つの大きなインパクト(効果)。さらに訪日客を増やす起爆剤になり得る」と強調した。

歳出では府が大阪市、関西経済3団体と3月下旬に設立する万博誘致委員会の活動費に2億円を充てた。誘致が閣議で了解されるのを前提に、博覧会国際事務局総会に出席したり、6月にカザフスタンで開幕するアスタナ万博に出席したりする。活動費は大阪市、経済団体と負担する。

同市と共同で会場整備や交通アクセスの調査も進める。担当部署の事務費を含め万博関連に3億700万円を配分した。

IRは誘致に向けた構想案を作る。ギャンブル依存症などカジノへの不安に配慮し、府内10カ所程度で府民への説明会を開く。府市共同組織「IR推進会議」の運営費を含め計4700万円を充てた。府市は湾岸部の人工島、夢洲(ゆめしま、大阪市此花区)を候補地に挙げ、24年ごろの誘致をめざす。

一方、府税収入は16年度当初比1%減の1兆4198億円となる見込みだ。企業業績が堅調なため法人住民税と法人事業税は増えるが、16年度の前半に進んだ円高で輸入品価格が下がり、地方消費税が減る。地方交付税も2338億円と14%減る見通しだ。

府は財源不足を補うため、17年度予算案で財政調整基金532億円を取り崩す。同基金の残高は584億円になる。松井知事は記者会見で「同基金が枯渇すれば、役所内の改革をして財源を捻出する」と述べた。

しかし、高齢化による社会保障費の急増といった構造変化も財政改善の足かせになりつつある。さらに万博の誘致が実現した場合、会場整備費だけで府の負担は200億円以上と見込まれ、財政への負担はさらに重くなるとみられる。

万博・IRの推進に際しては事業採算性の見通しとともに、財政への影響にも十分留意する必要がある。

■インバウンドにも力点

予算案は観光振興や交通整備にも力点を置いた。

増加するインバウンド関連では関西国際空港に到着後、鉄道への乗り換えをしやすくする。ターミナル駅で異なる鉄道の改札間の通路に日本語と英語の案内板を設ける鉄道事業者に対し、経費の半額を補助する制度を新設する。

外国人のニーズが強い公衆無線LANのWi―Fi(ワイファイ)を府内に140カ所増やすほか、多言語で飲食店メニューを検索できるシステムの構築を進める。これらの事業に1月から府で導入した宿泊税11億円を充てる。

高速道路網も拡充する。新名神高速道路の大阪府高槻市―神戸市間40キロが17年度末に開通するのに伴い、これに接続する道路を整備。府内に3カ所(高槻、茨木北、箕面)設けられるインターチェンジから利用できるようにする。

■産業育成は健康・医療軸に

健康や医療の産業育成も急ぐ。大学や研究機関に健康関連の研究成果を提供してもらい、府内の企業を探し出して事業化につなげる仕組みを構築する。

中小企業向けでは知的財産の相談を後押しする。政府機関の移転に伴い、10月までに特許庁所管の独立行政法人「工業所有権情報・研修館(INPIT=インピット)」の近畿統括拠点(仮称)がJR大阪駅周辺に設けられる。府はこの拠点に関するセミナーや相談会を開いて利用を促す。

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