凸版、4~12月期純利益18%増 医薬品向け包装材伸びる
凸版印刷が10日発表した2016年4~12月期の連結決算は純利益が前年同期比18%増の174億円だった。利益率の高い医薬品向け包装材が好調。株の売却益など特別利益を176億円計上し増益幅が大きくなった。
売上高は1兆532億円と4%減った。雑誌やチラシなど紙媒体の印刷物が減少した。公立学校の教科書改訂がなかったのも響いた。
一方、高齢化を背景に薬を包む包装材は伸びた。医薬品包装材をつくるには衛生基準の認定を受ける必要があり、一定の生産能力を持つ企業は限られる。このため高い単価を維持でき、利益の押し上げ役になった。米国で海外初の工場が稼働した効果も出て、全体の営業利益は7%増の278億円になった。
17年3月期通期は売上高が前期比2%増の1兆5100億円、純利益は32%減の240億円になるとみている。財務健全化の費用などを計上する可能性がある。