2019年5月23日(木)

ノジマ、IoTを主戦場に ニフティのネット接続事業買収

2017/2/1 0:08
保存
共有
印刷
その他

家電量販店のノジマが「奇策」を打ち出した。富士通子会社ニフティの個人向けインターネット接続事業を250億円で買収すると31日に正式発表した。ニフティの会員数は134万人。この基盤を武器にあらゆるモノがネットでつながる「IoT」時代で、モノを売るだけでなくサービスで新たな収益を稼ぐモデルを確立する。

「単なるモノ売り、単なる通信回線の販売ではなく、新しい社会をつくりたい」。都内での記者会見で野島広司社長は買収の狙いを語った。

富士通が「ニフティ」の社名で2月中に設立する新会社の株式をノジマがすべて取得する。ニフティブランドは存続し、三竹兼司社長も続投する。買収対象外のクラウド事業は富士通側に残る。

ニフティが押さえているのは家庭とインターネットとの接点だ。パソコンとの接続が主流だったが、今後はテレビ、白物家電、ゲーム機など家中の電気製品が相互につながるようになる。一つの回線で家中の電気製品にサービスを提供できる。

例えば高齢者や子供の見守り。家電がカメラやセンサーを備えていれば、屋内の行動を把握できる。倒れたり、ケガをしたりすると外出中の家族のスマートフォン(スマホ)に通知できる。遠隔で健康管理も可能。ウイルス対策や故障予防などにもサービスは広がる。

「メーカーが作ったものを売るだけではほかの家電量販との違いを出せない」。日本経済新聞のインタビューに応じた野島社長は家電量販の限界を感じていたと明かした。調査会社GfKジャパン(東京・中野)によると2015年の国内家電販売は7兆1100億円で、14年比6%減。ネット通販も交えた激しい価格競争と一線を画すことが必要だと考えた。

だがサービス開発力はない。野島社長が頭を悩ましていた昨秋、ニフティの事業売却話が舞い込んだ。好機と判断した野島社長はすぐにゴーサインを出す。対抗馬はKDDIソニー系企業だったが、最高値を提示。ブランドと雇用の維持も約束し、競り勝った。

家電量販で5位以下のノジマは神奈川県が中心で、最大手のヤマダ電機に引き離されている。そこで15年に850億円を投じ、全国規模で携帯販売店を持つアイ・ティー・エックス(ITX)を買収した。ノジマとITXの店舗では訓練を積んだ販売員がネットサービスを丁寧に説明できる。ネットとリアルの両輪で、減り続けていたニフティの会員数を反転させられるともくろむ。

家電販売に吹く逆風は収まっておらず、ヤマダ電機も新規事業の育成を急いでいる。11年に注文住宅のエス・バイ・エル(現ヤマダ・エスバイエルホーム)を買収し、スマートハウス事業の確立を目指しているが、軌道に乗っていない。

ノジマの自己資本比率は2割台とライバルより劣る。ネット接続事業でシェアが3.2%にすぎないニフティに投じた資金は高すぎるとの指摘もある。財務面でのインパクトを避けるためにも相乗効果を引き出す道筋をはやく示す必要がある。

(花田亮輔、竹居智久)

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報