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夕張市、元大リアルエステートに観光4施設売却へ

夕張市は30日、保有するホテルなど観光4施設の売却先に、不動産事業者、元大リアルエステート(東京・墨田)を選定し、仮契約を結んだと発表した。契約金額は税抜きで2億2000万円。観光施設はインバウンド(訪日外国人)の増加を受け好調で、市には「虎の子」の資産。固定資産税など年6000万円ほどの収入も期待する。

物件を落札した元大リアルエステートの代表は中国人。長野県や道内でリゾート開発の経験があり、中国の大手航空会社や旅行会社と連携し、中国などからの集客を目指すとしている。国内外の投資家から資金を募り、2~3年で100億円を投資するとし、外国人を主な対象とするリゾートを開発するという。

今回売却される3つのホテルとスキー場は、夕張市と指定管理者契約を結ぶ加森観光の子会社、夕張リゾートが運営している。ここ数年はインバウンドの増加で、「赤字が出るのは(端境期の)11月くらい」(西田吏利社長)という。

ホテルは夕張の宿泊施設では随一の規模で、今後も夕張が滞在型の観光地としてあり続けるには不可欠な存在だ。従業員も多く抱えており、夕張の貴重な雇用先にもなっている。加森観光との契約が3月末で満了するのを前に、夕張市は施設の売却先を昨春から選定してきた。

しかし、昨年11月の1回目の入札では応札がなかった。加森観光は3月末で施設の運営から撤退する方針を示しており、2回目の入札で落札者がなければ、ホテルなどの施設は閉鎖に追い込まれる可能性もあった。

このため、地元では無名企業ながら仮契約先の決定に、安堵の声が大きい。ホテルマウントレースイの前で喫茶店を営む中本満さんは「とにかく、継続して営業してもらえるならよかった」と胸をなで下ろす。

施設の引き渡しは4月1日。元大側は運営会社を設立し、加森観光との間で夕張リゾートの買収交渉をしており、従業員は維持する方針だ。

宿泊施設は老朽化が進んでいる。夕張市の試算では今後25年間でメンテナンスに62億円のコストがかかるという。元大は「『第2のニセコ』のような、魅力的なリゾートを作っていく」とし、まずは、マウントレースイを中心とした投資を予定しているという。夕張市と元大は2月上旬に本契約を結び、その後、市長と代表が会見する。

人口減に歯止めがかからない中で、街のにぎわいを保つために欠かせない大型の宿泊施設。夕張再建のカギとなる観光施設の将来を、市は能力未知数の企業の手に委ねることになる。(宇野沢晋一郎)

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