2019年1月19日(土)

移植臓器を別の動物で作製 iPS利用、東大がネズミで成功

2017/1/26 3:00
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東京大学の中内啓光教授(米スタンフォード大教授)と山口智之特任准教授らは、ラットの体内でマウスのiPS細胞から膵臓(すいぞう)を作り、この膵臓の細胞を移植して糖尿病のマウスを治療することに成功した。異種の動物で臓器を作り、治療効果を確かめたのは世界で初めてという。人の臓器をブタなどの体内で作って移植する再生医療実現の足がかりになる。

研究成果は英科学誌ネイチャー(電子版)に26日掲載される。実験には膵臓を作れないように遺伝子操作したラットを利用した。ラットの胚にマウスのiPS細胞や胚性幹細胞(ES細胞)を注入すると、誕生したラットにはマウスの細胞から育った膵臓ができた。

この膵臓を取り出し、インスリンなどを分泌する膵島という組織を、糖尿病のモデルマウスに移植した。移植後1年間、血糖値が正常な値を維持した。膵島の働きにより、糖尿病の症状が改善したと確認できた。膵島はラットの血管などの細胞をわずかに含むが、免疫抑制剤をほとんど使わなくても強い拒絶反応は見られなかったという。

研究チームは2010年にも同様の手法で今回とは逆となるマウスの体内でラットの膵臓を作った。ただ、できた膵臓のサイズが小さく、十分な量の膵島を確保できなかった。今回、大きさがマウスの10倍程度あるラットの体内でできたマウスの膵臓は、ラット並みの大きさに育った。

マウスとラットは、種としては人とチンパンジー程度に遠い関係にあるという。山口特任准教授は「異種の動物で作った臓器を治療に使う有効性を示せた」と話す。

今後は人での応用を目指し、ブタの体内でサルの臓器を作らせるなどの研究を進める方針だ。ただ、動物によって細胞の性質は異なる。「技術的に可能かどうかは試してみないと分からない」(同特任准教授)という。

順調に進めば人への応用も視野に入るが、日本では現在、倫理的な問題があるとして、国の指針で動物の体内で人の臓器を作る実験は禁止されている。このため、中内教授らは米国で人の臓器を作る研究を実施することも検討している。

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