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都立高校「大きな脅威」 都の私立高無償化で波紋

東京都の小池百合子知事が16日、年収760万円未満の家庭を対象とする私立高校の授業料の実質無償化を表明した。少子化が進む中、都内中学生らの進学先選びに大きな影響を与えるとみられ、学校関係者などに波紋が広がった。

無償化を要望してきた東京私立中学高等学校協会の近藤彰郎会長は「生徒と保護者の選択肢が広がる」と歓迎した。その上で「私立高には広域から生徒が集まる。(今回の無償化策は)神奈川県や千葉県の生徒は対象外なので、差が出てしまう」と問題点も挙げた。

一方、都立高からは反発の声が聞かれた。「施設面で充実し、教育の自由度の高い私立とフェアな競争ができるのか。大きな脅威になる」。ある難関校の校長は身構える。

東京では中学から私立を選ぶ家庭が多い。この校長は「私立中入試の激化は避けられない。公立中の教育への影響も心配だ」と話す。都立高も小学生対象の学校見学会の開催など進学者の獲得に努めているが、学費負担が軽くなることで、都立高を「素通り」する可能性が高まるとみる。

日能研の情報誌「進学レーダー」の井上修編集長も「経済的な負担が軽減されれば、私立中学受験をした方が子供の選択肢が広がると考える保護者は多い」と指摘。「中学受験する世帯の年収は800万円以上が多いというが、中高一貫校で高校の3年間が実質無償化すれば、こうした年収以下の家庭にも中学受験が一気に広がるのではないか」と話す。

公立高校授業料の無償化は民主党政権下の2010年4月に開始。私立高についてはその後の制度変更で、世帯の年収に応じて段階的に就学支援金を支給する仕組みができた。

東京都によると、都内には15年度、国公私立の全日制・定時制高校は429校あり、うち私立が237校を占め、私立のウエートは大きい。

一方、私立小中学校を巡っては、公立中高一貫校の増加などを踏まえ、私立学校側から「格差解消」を求める声が強まっている。こうした意見を受け、文部科学省は来年度から私立の小中学校に通う世帯(年収400万円未満)の子供に年10万円を補助する取り組みを始める。

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