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紳士服大手、脱「スーツ依存」 多角化急ぐ

紳士服大手が主力のスーツ事業以外の収益源の構築を急いでいる。業界4位のはるやま商事は4日、新規事業への参入などを目的に純粋持ち株会社に移行。コナカや首位の青山商事も飲食事業に力を入れる。高齢化などを背景に国内の紳士スーツ市場はここ10年で3割減った。郊外への出店ノウハウなどを生かし、多角化を急ぐ。

はるやまは同日付で「はるやまホールディングス(HD)」の傘下にスーツやカジュアル衣料販売などの5子会社がぶら下がる組織となった。「既存の枠組みだとアパレル以外はポジティブになりにくかった」(同社)。今後はアパレルにこだわらず、眼鏡や靴など服飾雑貨も本格展開する。

コナカはフランチャイズチェーン(FC)展開で、2016年夏にからあげ専門店「からやま」の出店を開始。とんかつ店「かつや」など他業態も含め5年で3倍の40店弱に増やす。青山商事もFC展開する焼肉店「焼肉きんぐ」などの飲食店を2年以内にも5割増の50店に増やす目標だ。

コナカや青山商事が飲食事業に注力するのは郊外への出店ノウハウを生かせるほか、紳士服店と併設すれば空きの駐車場を有効利用できるためだ。FCなら共通マニュアルを基にするため、他業種でも運営しやすい。豊富な資金力をベースに地域に集中出店すれば認知度も高まる。

調査会社の富士経済(東京・中央)によると、「とんかつ・カツ丼」の市場規模は20年に現在より13%増の505億円、焼き肉(テーブルオーダー型)は11%増の1490億円を見込む。「とんかつ店や空揚げ店はまだ競合が少ない。立地が悪くても集客でき、利益を出しやすい」(コナカの湖中謙介社長)

青山商事の青山理社長も「飲食はまだまだ伸ばせる」と強調する。15年末に買収した靴修理などの「ミスターミニット」などもあわせ、ビジネスウエア以外の売上高を現在の2割から4割まで高める目標を掲げる。

こうした多角化の背景にあるのはスーツだけでは生き残れないという危機感だ。団塊世代の大量退職やクールビズの浸透により、紳士スーツ市場は約2100億円とここ10年で3割縮み、今後も伸びは見込めない。明るい将来を描くためには新たな一手は不可欠だ。

本業で稼ぐ力を示す営業利益率は青山商事やAOKIHDが15年度でそれぞれ約9%、はるやまやコナカも3~4%ある。小さなスーツ店から顧客を奪う形で「残存者利益」を享受してきた。

多角化で先行する業界2位のAOKIHDは結婚式場や複合カフェの「非アパレル」が連結売上高の4割を占める。稼ぐ力があるうちに次の成長の種を見つけられるか。多角化競争は一段と激化しそうだ。

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