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稼働6割 進む二極化 インバウンド関西、民泊は今(中)

2016/12/28 2:30
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空き部屋を旅行者に有料で貸す民泊はインバウンド(訪日外国人)の受け皿として存在感が高まっている。大阪観光局によると訪日客の17%が利用しており、ホテル(57%)に次ぐ。ただ、最近は施設間で稼働率に差が開いてきた。そうした中、値下げに踏み切る施設も相次いでいる。

民泊する訪日客が増えている大阪の繁華街(大阪市中央区)

民泊する訪日客が増えている大阪の繁華街(大阪市中央区)

■狭い物件は減少

大阪市都島区のある民泊。2015年12月には2LDKの部屋を1泊約2万3千円で貸していたが、現在は約1万7700円と2割値下げした。「競合が増え、閑散期になると料金を下げざるを得ない。民泊をやめる例も相次いでいる」(ある民泊代行事業者)

民泊データ分析のはりうす(東京・渋谷)の田村幸之介最高経営責任者は「民泊は今、人気の二極化が進んでいる」と指摘する。予約サイトでは評価の高い物件が優先的に表示されるため、部屋のデザインや利用者の評価の高い物件の稼働が高まっている。目立たせようと「自ら泊まってレビューを書いている事業者もいる」(大阪市内の民泊代行業者)。

民泊の貸し手の運営支援サービスを手掛けるメトロエンジン(東京・港)の田中良介社長も「ワンルームなど狭い間取りの物件数は減少傾向にある」と指摘する。はりうすによると大阪市内の民泊施設稼働率は平均すると6割弱にとどまる。9割前後のホテルとは対照的だ。

ここにきて他の民泊施設との違いを出せるサービスも登場。清掃代行を提供するグリップ(東京・港)はリネン業者などと組み、利用者が忘れ物をした場合に連絡などをするサービスを3月に始めた。これまでに250件以上と契約した。

■損保の商品提供

綜合警備保障(ALSOK)では「民泊への警備サービスの問い合わせが今年に入ってから急増している」という。近隣住民とのトラブル対策のため、転貸可能な物件だけを選んで紹介する事業者も出てきた。システム開発のリーデックス(東京・渋谷)が運営する「Booken.jp」には現在、関西で数十件が登録しているという。

メトロエンジンでは11月、トラブル時のコールセンターや損害保険などをセットにした商品を民泊のホスト向けに発売。損害保険は三井住友海上火災保険が提供し、貸主と宿泊者、民泊の近隣住民が被る火災やケガ、盗難などの損害を最大1億円まで補償するもの。当初1カ月だけで数百件の契約があった。

ホテルや旅館より安いことで話題となった民泊だが、安さだけでは消費者をつなぎとめられなくなっている。今後、法整備が進み、行政が認可する「正規」の施設が増えれば、市場はより膨らむ半面、関連サービスにかかるコストはかさむ。単純な価格転嫁は難しいだけに淘汰の動きが広がる可能性はある。

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