キリンHD社長「ビール系飲料、ブランド再編も」 酒税改正で
キリンホールディングスの磯崎功典社長は26日、日本経済新聞の取材に対し、ビール系飲料のブランド再編を検討する考えを示した。2017年度税制改正大綱で、10年後をめどにビール系飲料の税額が一本化される方向になったためだ。最も税率の高いビールの税率は下がるため、製法や風味にこだわったクラフトビールの強化も進める。
現在3種類に分かれている税率は、26年10月に54円に統一される方向。磯崎氏は「どの時代でも価格帯は2つに分かれる」とし、現在の「一番搾り」などの通常価格帯ビールと、より安い価格帯の2通りの構成になると予測した。
「現行のブランドがそのまま10年後に残るかどうかを考えなくてはならない」とも指摘。税額が上がる「のどごし」など第三のビールや「淡麗」など発泡酒では「新しいブランドへの切り替えも検討する必要がある」とも述べた。
税額引き下げで追い風となるクラフトビールについては「収益安定性の高い分野で、他のメーカーと一緒に成長させたい」と期待を示した。中小クラフトメーカーでは生産や調達で苦戦するケースも多い。磯崎氏は、キリンが共同販売や生産受託を検討する考えを示した。