子宮頸がんワクチン、未接種でも「副作用」と同じ症状

2016/12/26 14:08
保存
共有
印刷
その他

子宮頸(けい)がんワクチンを接種した女性の一部が全身の痛みや記憶力の低下など副作用とみられる症状を訴えている問題で、接種したことがない女性にも同様の症状があることが26日、厚生労働省研究班の全国調査に基づく推計で分かった。ただ症状を訴える人の割合は接種した女性の方が高かった。研究班は「ワクチン接種と症状との因果関係は分からない」としている。

厚労省が同日開いた有識者検討部会に調査結果を報告。今後、検討部会で同ワクチンの安全性の議論を進める。

研究班は全国の病院を対象に2015年7~12月の間、全身の痛みなど同ワクチンを接種した女性が訴える「多様な症状」がある患者の有無を聞いた。2次調査では、頭痛や起立障害、けいれん、倦怠(けんたい)感、月経異常など約40の症状に加え、これらの症状を有する患者が学校や会社に通えているかどうかも調べた。

その結果をもとに推計すると、ワクチンの接種歴がない12~18歳の女性の場合、人口10万人当たり20.4人の頻度で症状が表れた。接種歴が不明だった患者をすべて「接種歴なし」とした場合は同46.2人になるという。

一方、接種歴のある人では、人口10万人当たり27.8人の頻度だった。接種と発症の前後関係が不明な患者なども加えると同69.5人となった。

ただ研究班は、今回の調査だけでは未接種者と接種者の比較はできないとしている。

接種者と未接種者の各症状の発生状況を比較すると、「光に対する過敏」や「集中力の低下」などで、接種者の方が割合が高かった。研究班は各症状の発生状況の違いの評価は避けたが、「一方にだけある特異的な症状は存在しなかった」と記載した。

▼子宮頸がんワクチン問題 国は2013年4月に定期接種化したが、副作用とみられる被害を訴える女性が相次ぎ、同年6月に「積極的勧奨」を中止。厚生労働省が15年に公表した追跡調査では、未回復の重い症状の女性は186人だった。被害を訴える女性は今年7月と12月に、国と製薬会社2社に対して損害賠償を求めて東京地裁などに集団提訴した。
 一方、世界保健機関(WHO)は同ワクチンの接種を推奨。日本産科婦人科学会などの学術団体は、「確固たる有効性が示されている」として積極的勧奨の再開を求めている。
保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]