二輪も所有→利用 ホンダ、ライドシェア大手に出資

2016/12/12 23:39
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 ホンダは12日、東南アジアの配車アプリ最大手グラブ(シンガポール)に出資したと発表した。二輪車のシェアリングサービスでの協業を検討する。東南アの主要国でホンダの二輪車シェアは70%台と高い。その王者が新興企業と組む背景には、二輪車でもモノを所有せずに複数の利用者で共有する「シェアリングエコノミー」の台頭がある。

 グラブはスマートフォン(スマホ)アプリを通じて運転手と顧客を仲介するライドシェア(相乗り)事業を東南アで広める。2012年の設立で、ベトナムなど東南ア6カ国34都市で配車サービスを提供する。ホンダは12月上旬にグラブに出資した。額は非公表。

 タイ79%、ベトナム70%、インドネシア69%――。二輪車世界最大手のホンダは東南アジアでのシェアが特に高く、主要3カ国の15年販売シェアはライバルを圧倒する。王者ホンダが新興国で次世代サービスに先手を打つのはなぜか。

 二輪車の普及率が高まる新興国で近年、シェアリングサービスが急速に広まる。公共交通機関の整備が遅れる東南アでは二輪車を使ったバイクタクシーが市民の足になっている。そこに運転手が稼ぎやすくなるツールとしてスマホの配車アプリが台頭した。

 ホンダが提携するグラブ以外もこの成長市場を開拓している。米配車アプリ大手のウーバーテクノロジーズは今年に入り、インドネシアやタイで二輪車の配車サービスを相次ぎ始めた。インドネシアでは現地企業のゴジェックなども存在感を高めている。

 新興国での二輪車販売の伸び悩みも背景にある。インドネシア市場で低迷するほか、最大市場のインドでは新興メーカーとの競争が激しい。ホンダの15年の世界販売は14年比3%減の1710万台だった。

 新たな二輪車市場をどう作り出すか。ホンダは製品やサービスの開発につなげるため、グラブに登録している属性などの顧客情報を活用し、二輪車の位置などのデータ提供を受けることを検討する。

 IT(情報技術)を生かして都市部での渋滞緩和も進める。グラブに登録する運転手に環境性能の高い二輪車の提供も視野に入れている。

 自動車大手にとってライドシェアは車の販売を減らす可能性がある。それでも踏み込むのは「所有」から「共有」へという自動車産業の構造変化に先手を打ち、収益源を広めるためだ。

 まず二輪車で進出し、ブランド力を高め、四輪車に顧客をつなぐ――。米国などで成功したホンダの勝利の方程式は今後も通用するか。常識にとらわれない事業モデルの構築が次の成長には欠かせない。(若杉朋子)

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