2019年1月21日(月)

関西のSAKE、世界に発信 日本盛はアジア、月桂冠は欧州

2016/12/2 6:02
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関西の酒造会社が酒米や製法にこだわった高級日本酒の海外展開を本格化する。日本盛(兵庫県西宮市)は海外専用商品として開発した純米大吟醸酒を中国や香港で売り出す。月桂冠(京都市)は英ロンドンに高級居酒屋を出店。日本酒への関心が高まるなか、最大輸出先の米国だけでなくアジアや欧州でも富裕層らに訴求し、ワインに対抗しうる醸造酒に育てる。

日本盛は2017年春に中国、香港などで海外専用の新ブランド「風雅」を発売する。香り高い純米大吟醸酒で、兵庫県産の高級酒米「山田錦」を40%まで磨く。価格帯は4合瓶(720ミリリットル)で6千円台を想定しており、現在海外で販売する最高価格の純米吟醸酒「超特撰 惣花」の約4倍になる。

まず17年1月から国内空港の免税店で訪日外国人客に販売し、知名度を高める。初めて飲む人らを意識し、おちょこを付けるなど工夫する。国際事業部の佐藤雅樹部長は「低価格で勝負せず、アジアで日本酒消費をけん引する富裕層をターゲットとする」と話す。

シンガポールでは醸造後に加熱や加水をしない生原酒の有料試飲イベントを増やす。冷蔵で空輸したタンク詰めの生原酒を味わえるイベントだが、従来は不定期で参加者は20人程度だった。8日に50人程度の規模で開催し、今後も2カ月に1度のペースで開く。日本盛は18年度までにアジアの売上高を3億4千万円と倍増させる計画だ。

奈良豊澤酒造(奈良市)は16年5月から韓国への輸出を本格化している。17年からは奈良産酒米で特別に造った純米吟醸酒「豊祝」を輸出する。米国が中心だった販売先をベトナムやタイ、香港を含むアジアに広げる。岡村本家(滋賀県豊郷町)は17年2月から中国・北京と上海の大型レストランに卸す。「長寿金亀」など4合瓶を年500本出荷する計画だ。

欧州市場を開拓するのは月桂冠だ。11月19日、トリドールホールディングスなどと共同で、ロンドンの高級住宅街メイフェア地区に居酒屋「酒蔵」を出店した。少量の日本酒を飲み比べられるメニューなどを用意し、酒器を使った本格的な飲み方を提案する。「伝匠(でんしょう)」などの高価格品を卸すほか、全国の蔵元を通じて品ぞろえを増やす。客単価は日本円で1万円程度という。

酒類品評会の本拠地があるロンドンを欧州での拠点と位置づけ、ソムリエなど酒類専門家への情報発信を増やす。同社の輸出額は世界全体で約13億円。「毎年5%程度は伸ばしたい」と野田幸雅貿易部長は語る。

純米大吟醸酒と純米吟醸酒に特化している玉乃光酒造(京都市)は年内にイスラエルへの輸出を始める。ユダヤ教では純米酒と醸造アルコールが添加された酒を同じ搾り機で処理することが禁じられるなど、厳しい基準がある。同社は全銘柄でユダヤ教の戒律に沿う「コーシャ(コシェル)認証」を取得した。主力の純米大吟醸などに認証マークを記したラベルを付けて輸出する。

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