九大生VB、後付け羽根で風力発電量2倍 QBファンド出資

2016/11/26 2:00
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 九州大学の現役学生が起業したベンチャー企業「日本風洞製作所」(福岡県久留米市)が、風力発電の効率化に向けた装置の製品化に乗り出す。風力発電機に後付けもできるプロペラを2018年から発売する。2層の羽根で風を受けることで、低コストで発電量を2倍に増やせる。土地が狭く、新規の風力発電機の立地に制限のある日本や台湾の需要を見込む。

 西日本シティ銀行や産学連携機構九州(福岡市)などが出資して作った大学発ベンチャー支援のQBファンドが、初めて事業化前に出資した。

 後付けプロペラは、既存の風力発電機にも取り付けられる。3枚羽根を2層にすることで、微風で動き始めることができる多数羽根の長所と、回転の風の抵抗を減らす少数羽根の両方の特長を得られる。発電量が2倍に増える一方でコストは1.5倍に抑えられる。「風力発電機は設置のコスト回収に18年程度かかるが、13年程度で回収が可能になる」(ローン・ジョシュア社長)。15~20年程度と言われる耐用年数内に回収ができなくなる事態を減らせる。

 2層の羽根の風力発電機はプロペラの前側と後ろ側で回転速度が違い、動力を発電機にうまく伝えることが難しい。他社で発売済みの製品は発電機を複数にするなどのコストが課題だった。同社は自動車が左右に曲がるときの内輪と外輪の回転速度を調整する「差動機構」を応用し、異なる回転速度の羽根の動力を少ない損失で発電機に接続することを可能にした。

 同社は、長崎県出身で、九大4年生のローン氏が10月に起業した。「2重プロペラ化アタッチメントの開発」が、16年度の新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の事業化助成金に現役学生のベンチャー企業としては全国で初めて採択された。風力発電機の開発で得られた知見を生かし、競技用自転車向けの風洞実験装置も小型化して販売する方針だ。

 大学発ベンチャーを支援するQBファンドとしては、事業化の前に出資する「プレ投資」の初めての実行となった。大学発ベンチャーは教員が大学で特許をとって立ち上げる場合が多いが、今回は学生個人で発明して、個人で特許を出願した。QBファンドを運営するQBキャピタルの坂本剛代表は「技術力は海外のコンテストでも認められている。ファンドから人材も送り込み、さらに本格投資していきたい」と述べている。

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