ベトナム、原発中止 日本のインフラ輸出に逆風

2016/11/23 1:30
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【ハノイ=富山篤】ベトナム政府は22日、同国南部での原子力発電所の建設計画の中止を決めた。ロシアと日本がそれぞれ受注して2028年にも稼働する予定だったが、資金不足に加え、福島第1原発の事故で住民の反発が強まり、計画を断念した。インフラ輸出を成長戦略に掲げる安倍政権にとって逆風となる。

同日閉会した国会で、計画を中止することを正式に承認した。「計画を立案したころに比べて経済状況が変わった」と財政問題を理由とした。

09年、前首相のグエン・タン・ズン氏が主導し、電力不足を解消するため計画を承認。南部ニントゥアン省に発電能力計400万キロワットの原発をつくる予定だった。当初は14年に着工し、20年の稼働を目指していたが、人材と資金の双方の不足から稼働は28年以降に遅れる見通しとなっていた。

完成すれば東南アジア初の原発となるため、日本政府はアジアへの原発輸出のモデルと想定。三菱重工業日立製作所などのメーカー、電力会社が受注をめざしていた。ただベトナムの財政状況は悪化しており、1基当たり数千億円単位の資金がかかる原発建設は困難との声が強まった。

4月に中部ハティン省で台湾企業が建設中の大型製鉄所で大規模な公害が発生し、住民の環境意識が急速に高まったことも影響したとみられる。

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