2019年7月21日(日)

AED、市民の使用で救命率2倍に 9年で800人の命救う

2016/11/7 0:22
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公共施設などに置かれている自動体外式除細動器(AED)を一般市民が使い、救った命は9年間に約800人に上るとの研究結果を京都大の石見拓教授(予防医療)らがまとめ、米医学誌に発表した。AEDを使わない場合に比べ、救命率は約2倍だった。石見教授によると、AED普及の効果が実証的に裏付けられたのは初めて。

研究は総務省消防庁が国際的な基準に基づく救急搬送の統計を取り始めた2005年から13年までの記録を活用。病院以外で心停止し救急搬送された約100万件から、AEDが有効とされる心疾患「心室細動」で突然倒れたことが確認できる約4万3千人を抽出し、発症と応急処置の状況の記録を分析した。

AEDと同時に行われることが多い心臓マッサージなど他の救命措置の効果を統計学的に排除。偶然居合わせた市民が、心臓マッサージなど他の救命措置ではなくAEDによって命を救い、社会復帰に至ったのは計835人と推計した。

助かる人は年々増え、13年は約200人だった。現場でAEDが使われなかった場合と比べた社会復帰率は1.99倍に上った。

今回の研究は石見教授と大阪大の北村哲久助教(環境医学)が共同で実施。研究結果は米医学誌ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシンに掲載された。

AEDの普及は進んでいるが、活用の実態はよく分かっていなかった。全国規模の調査は外国でもほとんど行われていないという。

石見教授は「市民によって年に200人以上の命が救われていることは評価できる」としたうえで、「多くの人にAEDの講習を受けてほしい。講習を受けていなくても、AEDを使えば救える命があることを知ってほしい」と話している。

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