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NTTドコモ、好調業績に踊らず 4~9月は最高益

NTTドコモの業績が絶好調だ。28日に発表した2016年4~9月期連結業績(米国会計基準)は、通信料収入の伸びや償却負担の減少が利益を押し上げ、上半期で過去最高の純利益を記録した。だが、決算発表の席上、経営陣は時折硬い表情を見せた。好調決算の裏に、将来の成長鈍化要因が潜んでいるからだ。

16年4~9月期の純利益は4054億円と前年同期比28%増えた。スマートフォン(スマホ)やタブレットなど端末の複数保有が増え、大容量のデータプランに乗り換える動きが加速して携帯電話の通信料収入が増えた。売上高に相当する連結営業収益は2兆2883億円と3%増。増収効果が利益増に直結した。

減価償却方法を定額法に変更した影響で500億円の利益押し上げ効果も出た。順調な進捗を受け、通期の純利益予想は前期比19%増の6550億円と期初予想から150億円積み増した。

だが、将来に目を転じると、肝心の事業モデル自体が揺らぎかねない不安の種が垣間見える。

携帯事業は「ストック型ビジネス」だ。コストをかけて顧客を獲得した後、安定した通信料収入という収穫を得て回収する。その肝心の顧客獲得が鈍っているのだ。政策の影響もあり、競争環境が大きく変化している。

「『ワイモバイル』や仮想移動体通信事業者(MVNO)への顧客流出の影響はある」。吉沢和弘社長は認める。MVNOとは格安スマホ事業者のこと。ドコモなどの回線を借りサービスを提供するが、低価格プランを武器に攻勢を強める。

ソフトバンクグループは「ワイモバイル」という割安プランを設けた副ブランドで価格競争に加わる。KDDIもグループ内格安スマホ「UQモバイル」をテコ入れして追随する。

そのターゲットがドコモの従来型携帯電話(ガラケー)利用者だ。副ブランドを持たないドコモは「スマホを手ごろな値段で使いたい」ニーズをすくいきれない。

「実質ゼロ円販売是正」を掲げる総務省のガイドラインで、今春から高機能スマホの廉価販売は難しくなった。クレジットカード会員向けに配っていたクーポンも実質的な端末購入補助だと行政処分を受けた。決済サービスなどと併せてドコモ経済圏へと囲い込む戦略の修正を迫られている。

新規顧客開拓が鈍ったため、16年4~9月期は携帯販売代理店に支払う手数料が前年同期比「二百数十億円減った」(佐藤啓孝取締役)。この効果が今の好業績を支える一因だが、将来の成長先食いにも等しい。スマホやタブレットの普及が一巡すると、データ通信料が先導する形で通信料収入を伸ばしていく策にもいずれ限界が来る。

ドコモは28日、17年3月期決算発表時に次期4カ年中期経営計画を発表すると明らかにした。通信料収入の成長鈍化にどう立ち向かうか。投資家の目線は早くも次期中計の内容に向かう。

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