田中正造の肖像版画を寄贈 栃木・佐野市に
足尾銅山鉱毒事件と闘った田中正造(1841~1913年)の古里、栃木県佐野市が8日、市内で開いたイベントで、県内出身の版画家が描いた肖像版画が市に寄贈された。今後、市役所内に飾る予定。
肖像版画は、事件をテーマにした作品を多く残した版画家、小口一郎(14~79年)によるもの。寄贈した「小口一郎研究会」の篠崎清次代表(69)は「行動を起こした田中の生きざまが表情ににじみ出ている。その魂を感じてほしい」と話した。
13年10月12日に田中の本葬が同市の寺で執り行われたことにちなみ、市は昨年、10月12日を「田中正造の日」と制定することを決め、8日のイベントを開催した。
足尾銅山は明治時代、鉱毒の流出により渡良瀬川流域に甚大な被害をもたらした。衆院議員だった田中は帝国議会で取り上げるなど、解決のために奔走した。〔共同〕