スギヨ、新潟の水産加工会社買収 珍味など品ぞろえ強化
水産加工業のスギヨ(石川県七尾市)は3日、新潟市の同業、マルタ食品を買収することで合意したと発表した。同社の発行済み株式をすべて取得し、完全子会社とする。買収額は非公表。マルタ食品はカズノコやニシンを加工した珍味が主力で、買収により水産加工品の品ぞろえを増やす。
27日付で株式譲渡を受け、スギヨの杉野哲也社長、室屋雅啓常務がそれぞれマルタ食品の会長と社長に就任する予定。
スギヨはちくわ、かにかまといった練り製品に強い。両社の営業拠点を通じて互いの主力製品を拡販するなど、販売面での相乗効果も見込む。物流施設などを有効活用してコスト削減にもつなげる。
スギヨの年間売上高は約200億円で、マルタ食品は60億円規模。近年、世界的な水産資源の需要拡大で原料のすり身価格が高騰し、練り製品事業の収益環境が悪化している。スギヨは練り製品依存から脱却し、珍味分野を成長事業の柱の一つに据える。