雪氷室で製造する日本酒、温暖化で販売中止 高砂酒造
高砂酒造(旭川市)は雪と氷をドーム状に固めた雪氷室を利用した大吟醸酒の製造を今冬から中止する。もろみを袋に入れて室内につるし、しずくを集める寒冷地・積雪地ならではの製法だが、温暖化によって雪氷室づくりが困難になった。全5種類について、在庫がなくなり次第、販売を終了する。
1990年から製造・販売する「雪氷室 一夜雫(しずく)」シリーズ4種と、「雪氷室 銀河雫(しずく)」1種が中止の対象。年間の生産数量はそれぞれ1万本、2千本。
壁の厚さが20センチメートル弱の雪氷室は毎年1月中旬に製作し、3月中旬まで維持してきた。旭川市内の気温上昇や降雨に伴い、雪氷室を保てる期間が短くなり、壊れやすくもなってきたという。一方で気温の低い市郊外への移転は費用対効果に乏しいと判断し、雪氷室自体の製作を断念した。
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