2019年2月23日(土)

ソニー、大連万達と映画で提携 中国の商品を作品でPR

2016/9/24 0:20
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中間層拡大で、中国では映画人気が急速に高まる(遼寧省大連市内の映画館)

中間層拡大で、中国では映画人気が急速に高まる(遼寧省大連市内の映画館)

【大連=原島大介】ソニーは23日、世界的な映画館チェーンを抱える中国の大連万達集団(ワンダ・グループ)と映画事業で提携すると発表した。ソニーが製作する映画に万達が自社商品をPRしたい中国企業などから集めた資金を投じ、映画のなかに商品を登場させたり、中国人俳優を起用したりする。積極的なM&A(合併・買収)で急成長する中国企業と連携を深め収益源の映画事業の拡大を狙う。

万達とソニーの映画子会社ソニー・ピクチャーズエンタテインメントが提携する。万達が協賛企業などから集めた資金をソニーが手がける映画の製作費の一部にあてるほか、万達が世界に持つ映画館のネットワークを利用して作品を上映する映画館を増やしていく。

観客数が多いヒット映画に登場した商品や俳優は人気が出て商品価値が高まる。巨大な消費市場を抱える中国では特にその傾向が強い。

例えば2014年に公開された米映画「トランスフォーマー4」は中国で人気のある女優や俳優を起用。中国の乳業メーカーや銀行、自動車など25社の商品がスクリーンに登場した。本国での興行成績は振るわなかったが、中国では大ヒット。スポンサー企業は自社商品のイメージアップや販売増につなげており、ソニーと万達も同様の試みを広げるとみられる。

ソニーは1989年に米コロンビア・ピクチャーズを買収して映画事業に参入した。テレビなどのエレクトロニクス事業が低迷するなか、音楽と並び収益を支えてきた。16年3月期の映画事業の売上高は9381億円でソニー全体の約1割を占め、営業利益でも全体の13%を稼ぐ。

ただ、映画事業はヒット作の有無に左右されやすく、映画事業単体の営業利益率も16年3月期は4%程度と下降傾向にある。こうしたなかで狙いをつけたのが、膨らむ中国の映画市場だ。

中国では中間層の拡大などから映画人気が急速に高まっており、15年の興行収入は前年比4割増の67億8千万ドルと世界で2位。1位の北米市場(約111億ドル)も数年後に抜く勢いだ。

世界の映画関連市場で中国企業は存在感を増している。万達は12年に米映画館大手、AMCエンターテインメントを26億ドル(約2600億円)で買収。その後も欧米やオーストラリアで矢継ぎ早にM&Aを仕掛け、今年に入っても米国版「ゴジラ」で知られる米映画製作会社を買収している。

ただ、一部のハリウッド作品のなかには、中国以外では販売していない商品が登場するなど観客の不満を買っているケースもある。ソニーが中国人だけが好むような映画ばかりを作るようになれば、他国の観客の反発を招いて興行収入に影響が出る恐れもある。

大連万達集団(ワンダ・グループ) 1988年に創業した中国の不動産大手。国内で約150の商業施設「万達広場」を展開するほか、マンションやホテルを抱える。近年は映画やスポーツなどのサービス産業への事業転換を加速。海外で積極的なM&A(合併・買収)を仕掛ける。各国で買収が完了すれば約1万3000のスクリーンを抱える世界一の映画館チェーンになる。2015年度の売上高は前期比20%増の2901億元(約4兆3500億円)。

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