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JR九州、東証が上場承認 個人投資家取り込み

JR九州が運行するななつ星(鹿児島県内)

10月25日の上場が承認された九州旅客鉄道(JR九州)は、株主還元を手厚くして個人投資家を呼び込む。連結配当性向は30%程度と、JRの本州3社より高い水準に設定。株主優待も鉄道料金が半額となるほか、ホテルが割引になるなど充実させた。JR九州のファンを増やして安定株主作りを進めるとともに、九州への観光も促して地域の活性化にもつなげる。

JR九州は10月25日に東京証券取引所に、26日に福岡証券取引所に株式を上場する。青柳俊彦社長は9月15日、東証の上場承認を受け、投資家向けの広報(IR)活動の本格化に向けて証券会社と協議に入った。

鉄道建設・運輸施設整備支援機構が売り出すのは1億6000万の全株式。このうち1億2000万株は国内、4000万株は海外に振り向ける予定だ。10月6日に仮条件が決まり、17日に売り出し価格が決まる。申込期間は18~21日。

新規株式公開(IPO)時点の売り出し株数は旧国鉄の民営化案件では最も多かった東日本旅客鉄道(JR東日本)を上回るが、売却総額(想定価格ベース)は3920億円と最も小さい。景気の先行き不透明感から株式市場で薄商いの状況が続いているが、「個人投資家の資金余力は高く、十分吸収可能」(ネット証券)との意見が大半を占めている。

上場にあたって多くの個人投資家を呼び込むために株主還元を手厚くした。JR各社の今期末の連結配当性向の予想は西日本旅客鉄道(JR西日本)が25%、JR東日本が19%、東海旅客鉄道(JR東海)が7%。これに対して、JR九州は今期は上場から期末配当の基準日まで6カ月未満であることから15%程度にとどまるが、その後は19年3月期までの期間30%程度を目安とする。

株主優待も充実させる。100株ごとに1枚を基本として新幹線や特急料金などが半額になる優待券を発行。さらに、同社グループの株主優待券も100株以上の株主に5枚を発行する。

JR九州ホテルの宿泊基本料金が最大3割引きになるほか、福岡―韓国・釜山を結ぶ「高速船ビートル」が1万円で利用できるなどグループ力を生かす。

時価総額は4000億円の見通しと本州3社には及ばない。ただ、想定発行価格に基づく予想PER(株価収益率)は10.3倍と、「9~13倍程度で推移する鉄道株のなかでは特段、割高な印象は受けない」(カブドットコム証券の河合達憲投資ストラテジスト)との見方が多い。「JR九州と同様に不動産開発で稼いでいる私鉄会社と比べると割安感すらある」(国内運用会社)との声も上がった。

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