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ルネサス、ようやく「攻め」 米同業を買収
自動車分野、世界に販路

2016/9/13 23:51
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経営再建を果たした半導体大手のルネサスエレクトロニクスがようやく攻めに転じる。2017年6月をメドに米同業のインターシル(カリフォルニア州)を32億1900万ドル(約3250億円)で買収すると13日に発表。得意の自動車分野を深掘りし、世界に販路を広げる。だが今は成長軌道に乗る「一里塚」に立っているにすぎない。ルネサスにはなお様々な課題が横たわっている。

米半導体のインターシル買収について記者会見するルネサスエレクトロニクスの呉社長(13日、東京都江東区)

「経営の軸足をぜい肉を削ることから、戦略的事業を伸ばすことに置く」。都内で記者会見した呉文精社長は、ルネサスの経営が新たなステージに入ることを宣言した。

狙うのは自動車や産業機器用の半導体強化だ。ルネサスは売上高の半分を車載用で稼ぐが、エンジン制御などに使うマイコンが中心。インターシルは電圧制御用の「アナログ半導体」に強く、産業機器用の比率も高い。これらはルネサスにとって「欠けたパズルのピースだった」(呉社長)。

ルネサスは車載半導体で世界3位。2位の独インフィニオンテクノロジーズに迫り、首位のオランダNXPセミコンダクターズを追う。電力制御は電動化が進むクルマの性能向上に直結する。6月に就任した呉社長は「小さくても勝てる領域を積み上げる」という。今回の買収はこれに合致する。

ただルネサスの経営が盤石になったわけではない。日立製作所、三菱電機の半導体統合会社がNECエレクトロニクスと経営統合して10年に発足したが、円高や東日本大震災で急速に業績が悪化。官民ファンドの産業革新機構やトヨタ自動車などから巨額出資を仰ぎ、危機を回避した。大規模リストラを経て15年3月期に最終黒字となったが、売上高は5年で4割縮んだ。

この状況で先行きには3つの課題がある。

まず人材や技術、販路の融合だ。ルネサス自身、3社から集まった社員の融合に苦労した。出身母体の技術へのこだわりが、活発な新製品開発や顧客開拓を妨げた。日本企業による海外企業買収は失敗例が多い。リストラで技術者も減ったなか、融合にしくじれば、過去の失敗を繰り返す。

呉社長は前任の日本電産副社長時代に、海外の買収先の再建を担ってきた。周囲に「自分の最大の強みはPMI(買収後の統合)」と語っており、その手腕が問われる。

2つ目は資金力だ。今回の買収額はルネサスの純利益の4倍。6月末時点の手元資金は約3900億円だが、その多くを使う。証券アナリストから「高値づかみ」との声もあがり、のれん代償却で財務基盤が傷む。呉社長は「今後も魅力的な案件を見つけたい」と、さらなる買収に意欲を見せたが、機動的な資金確保が欠かせない。

最後の課題は69%を出資する革新機構の「出口戦略」だ。現在、革新機構のある幹部は「市場での売却を模索する」という。3~5年先を見据えているようだが、今から自主経営を意識した基盤固めを急ぐ必要がある。複雑なパワーバランスの下、今後もルネサスは難しい経営のかじ取りをしいられる。(細川幸太郎)

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