セイコーHD17年3月期、純利益75%減 円高で輸出採算悪化 - 日本経済新聞
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セイコーHD17年3月期、純利益75%減 円高で輸出採算悪化

セイコーホールディングスは13日、2017年3月期の連結純利益が前期比75%減の30億円になりそうだと発表した。18%減の100億円だった従来予想から減益幅が拡大する。円高で輸出採算が悪化し、訪日外国人(インバウンド)向けの腕時計販売も落ち込む。

売上高は12%減の2600億円と、300億円引き下げた。想定為替レートを1ドル=110円から100円に見直し、営業利益は62%減の50億円を見込む。期初予想の120億円から70億円下振れする。このうち半分を為替影響が占める。

主力の時計事業は販売が振るわない。インバウンド需要に陰りが見え始めたのが大きい。「ウオッチ事業」の部門営業利益は60億円と、従来予想から半減する見通し。セイコーはブランド力が高い分、訪日客需要で販売数量が伸びると業績全体に弾みがつきやすい。今期はその反動が出る。

特に10万円前後の中価格帯の腕時計で落ち込みが激しいという。東海東京調査センターの石野雅彦氏は「時計事業はインバウンドの押し上げ効果が大きく、それが裏目に出る。今期の落ち込みは想定以上」と指摘する。

インバウンドの停滞は傘下の高級商業施設、和光(東京・銀座)にも波及。外国人の中でも富裕層に人気のスポットだが、ここにきて購買意欲の停滞が響いている。部門の営業利益は6億円と、当初計画の10億円から落ち込む見通し。

国内では20万円以上の高級腕時計が振るわない。前期に10%強伸びた旗艦ブランド「グランドセイコー」の販売は今期、微減を見込む。好調な女性向け高級腕時計の販売で下支えを目指す。

経常利益は66%減の40億円と、これまでの増益見通しから一転、2年連続の減益になる。大幅な減益だが、年間配当は従来予想通り15円で据え置いた。今期は1株利益のほぼ全てを配当に充てる計算になる。

業績の回復は、消費の比較的堅調な北米がカギになりそうだ。足元は百貨店などで数万円程度の腕時計販売が落ち込んでおり、クリスマス商戦に向け挽回を狙う。

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