2019年2月19日(火)

ベネッセ迷走止まらず 3カ月でまた社長交代

2016/9/9 23:47
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ベネッセホールディングス(HD)の迷走が止まらない。福原賢一社長(65)が副会長となり、社外取締役で米投資ファンドのカーライル・グループの日本法人会長を務める安達保氏(62)が10月1日付で社長に就くと9日発表した。前社長の原田泳幸氏(67)の辞任を受けて登板した福原氏の在任期間はわずか3カ月。今回のトップ交代で混迷が深まるのか。復活の起点となるのか。

新社長に決まり記者会見するベネッセホールディングスの安達保取締役(9日午後、東京都千代田区)

新社長に決まり記者会見するベネッセホールディングスの安達保取締役(9日午後、東京都千代田区)

「迷走と言われても仕方がない」。都内のホテルでの記者会見を終え、日本経済新聞の取材に応じた福原氏はこう吐露した。それでもなぜ今、社長の座を譲るのか。「通信教育講座『進研ゼミ』や英会話教室『ベルリッツ』の立て直しが急務。一刻も早く経営体制を強化する必要があった」

業績は深刻だ。2014年に発覚した進研ゼミの顧客情報漏洩の後遺症は癒えず、会員減少が続く。16年4~6月期の連結営業損益は7億円の赤字(前年同期は6億円の黒字)。営業損益ベースの赤字は上場来初だ。

「大変な危機感を抱いている」。会見でこう語った安達氏は企業再建のプロだ。三菱商事やコンサルティング会社などを経て、カーライルの日本代表を03年から13年間務めた。中堅企業を中心に20社以上に投資。経営効率化や海外展開を主導して収益を高めてきた。あるファンド関係者は「強引な手法と無縁で、投資先の人材をいかすのが上手だ」と評価する。

社長交代は創業一族で最高顧問の福武総一郎氏(70)の意向が働いたとの見方もあるが、福原氏は「指名・報酬委員会で議論した。判断は現経営陣に任せると福武さんは言っていた」と述べ、福武氏の関与を否定した。

とはいえ安達氏は福武氏に信認されていたのは間違いない。03年から断続的に通算11年間、社外取締役を務めた。ある幹部は「いったん退任しても、すぐ呼び戻されている。よほど気に入られていたのだろう」と語る。

なぜ3カ月前に白羽の矢を立てなかったのか。まず原田氏の突然の退任を誰も想定していなかった。福原氏は「とりあえず混乱を収める必要があった」と振り返る。

オーナー企業であるがゆえか、リーダー育成は進まなかった。福武氏は「改革は社内人材にできない。外部人材が必要」とよく語っていたというが、外部人材登用も失敗が続く。ソニー出身の社長は私的な問題で07年に辞任。日本マクドナルドホールディングスのトップから転じた原田氏も業績を立て直せなかった。

安達氏は原田氏について「変革を急ぎ、顧客や現場から離れていた面があった」と指摘。自らは「顧客目線に立ち、新サービス開発にも挑む」と意気込む。10月に新たな経営方針を示す予定だ。このときに迷走を止める手立てを示せるだろうか。

(上原翔大、川上穣)

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