2019年9月19日(木)

デンソー、富士通テンを子会社へ IT人材確保

2016/9/10 1:08
保存
共有
印刷
その他

トヨタ自動車グループのデンソーは9日、富士通傘下でカーナビゲーションシステム大手の富士通テンを子会社化する検討に入ったと発表した。富士通から保有株式を買い取り、出資比率を51%に高めて連結対象子会社にする。買収金額は数百億円規模とみられる。デンソーは自動運転などの安全技術の開発を強化している。欧米部品大手などとの競争が激しくなるなか、カギを握るソフトウエア人材を拡充する。

デンソーと富士通、トヨタ自動車の3社が、富士通テンの資本構成を見直すことで基本合意した。現在の出資比率は富士通が55%、トヨタが35%、デンソーが10%。今回の買収が実現するとデンソーの出資比率が51%、富士通は14%に変わる一方で、トヨタの出資比率は変わらない。

3社は買収金額など詳細を今後詰め、2016年度中に最終合意したい考え。買収が完了するのは17年度前半になる見通しだ。

富士通テンはカーナビを主力とするほか、自動車メーカー向けに車両の周囲を確認するシステムやエンジンなどの制御用コンピューターなどを手掛けている。同社が得意とする車載オーディオ分野の技術を、デンソーは自動運転車のコックピットに使う部品に生かすなどして相乗効果を狙うとしている。

デンソーがいま最も力を入れているのは、自動運転に必要な人工知能(AI)などの開発だ。1月には自動運転技術の開発に特化したADAS推進部を設置。国内外で相次ぎ共同出資会社を立ち上げるなど、これまでの自前主義から外部との連携に大きく踏み出した。

中でも最大の課題は人材確保だ。東京に研究所を設けたり支社を拡充したりして採用に力を入れている。8月に米カーネギーメロン大学の金出武雄教授を技術顧問に迎え入れたのも、同氏に連なる人脈と連携したいとの思惑からだ。富士通テンは多くのIT(情報技術)技術者を抱えており、今回の買収は人材確保の色合いが強い。

M&A(合併・買収)を通じてソフト分野を強化する動きは、欧州の部品メーカーで特に目立っている。独コンチネンタルは15年に欧州の車載用組み込みソフト大手、エレクトロビットを買収した。独ZFも8月、センサーや関連ソフト技術を持つ独イベオ・オートモーティブ・システムズに40%出資している。

富士通テンの16年3月期の連結業績は売上高が3633億円、営業利益は54億円。ただ最終損益は12億円の赤字と低迷している。デンソーにとっては同社を早期に黒字化できるかどうかも課題になる。

保存
共有
印刷
その他

関連企業・業界 日経会社情報DIGITAL

電子版トップ



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報

新しい日経電子版のお知らせ

より使いやすく、よりビジュアルに!日経電子版はデザインやページ構成を全面的に見直します。まず新たなトップページをご覧いただけます。

※もとの電子版にもすぐ戻れます。