タクシー、有料で英語の観光案内 都が特区生かしガイドを育成

2016/9/6 7:00
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東京都は有料で英語の観光案内をするタクシー運転手の育成を始める。通常は通訳案内士の国家資格が必要だが、構造改革特区を活用し、都の研修を受ければ資格を得られる仕組みを整える。2020年の東京五輪・パラリンピックまでに約300人の「特例ガイド」を育て、急増する訪日外国人客が便利に都内を観光できるようにする。

タクシーで外国語による観光案内をして料金を受け取るには、運転手が通訳案内士の国家資格を取得するか、通訳案内士に同乗してもらう必要がある。日々の乗務が忙しい都内のタクシー運転手が、国家資格を取得するのは難しいため、都は構造改革特区法による「特例ガイド制度」を活用し、より簡便な研修で担い手を増やす。

観光庁の検討会に都が示した資料によると、英語能力試験(TOEIC)600点相当の語学力がある運転手が対象で、8日間(56時間)の研修を通じて東京の観光知識や英語のほか、車椅子や高齢者の介助方法などを身につけてもらう。観光地での実習もする。修了後、面接試験に合格した人に特例ガイドの資格を与える。

都は6月に特例ガイド制度の国の認定を受けた。民間事業者にテキストやカリキュラムの作成を委託し、通訳案内士の資格を持つ人を講師として招く。16年度中に第1期のガイドを誕生させる計画だ。

タクシー観光は費用はかさむが、バスのツアーと違って一人ひとりの要望に応じられる強みがある。訪日客にとっても、定番の観光地だけでなく買い物や伝統工芸の制作体験など、自分が行きたい場所だけを効率よく回れる。

タクシー運転手が有料で英語ガイドに応じられるようになれば、五輪に向けて急増が予想される訪日客の利便性が高まると都は判断した。

都内の業界団体の東京ハイヤー・タクシー協会は、15年から英語で観光案内する能力を持った運転手の育成を始めた。ただ通訳案内士法の規制があるため、国家資格を取得している運転手でなければ、外国語による観光案内の料金を運賃に上乗せすることはできなかった。

国家資格を持っていないが、英語による観光案内に意欲的な運転手は多いとみられ、都はこうした人材を特例ガイドに育成していく意向だ。

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