ゴリラ絶滅危惧、緊急度引き上げ パンダは引き下げ
国際自然保護連合(IUCN)は4日、世界の絶滅危惧種リスト(レッドリスト)を見直し、アフリカ東部に生息するヒガシゴリラを、3段階ある絶滅危惧種の分類のうち最も緊急度が高い「近絶滅種」に引き上げたと発表した。
これまでは3段階の真ん中だった。野生環境での絶滅まであと一歩となるレベルで、ニシゴリラやボルネオオランウータンなど大型類人猿3種と並んだ。
一方、これまで3段階の真ん中だったジャイアントパンダは中国で生息数が増えたため、緊急度が1段階低い「危急種」に分類し直した。
ヒガシゴリラには、マウンテンゴリラとヒガシローランドゴリラの2亜種がいる。密猟で殺されたり捕獲されたりする例が後を絶たず、IUCNによると最近20年間で生息数が7割以上減って5千頭を割り込んだ。大型類人猿の仲間のチンパンジーとボノボは3段階の真ん中にとどまった。
ジャイアントパンダは、中国政府による森林保護や植林が効果を上げた。ただ竹林などの生息地は気候変動によって80年後に35%以上が失われると予測され、IUCNは、中国による保護策の拡大や充実が欠かせないと指摘している。〔共同〕