関西経済界、万博誘致に慎重姿勢 大阪府市・経済団体が会談

2016/9/2 2:00
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大阪府市と大阪商工会議所、関西経済連合会、関西経済同友会のトップが1日、大阪市内で会談し、大阪府が進める2025年国際博覧会(万博)の誘致などについて話し合った。松井一郎知事は誘致に向け、積極的な協力を経済界に要請した。経済界側は万博の意義に理解を示しつつも、経費負担などで慎重な姿勢を崩さなかった。

「地元の機運醸成が必要だ。国からは官民一体の誘致推進組織の立ち上げを早急に準備してほしいとの意見を頂いている」。懇談の冒頭、松井知事はこう話し、万博誘致に向けて経済界側の協力を求めた。

大阪府は現在、有識者検討会議を組織して万博の開催規模や実施方法、場所などを詰めている。「今秋の早いうち」(松井知事)に構想をまとめ、計画づくりを進める。

大阪府の試案では「人類の健康・長寿への挑戦」をテーマにした。関西のライフサイエンス分野の先端研究をもとに、健康な状態で長寿を実現する製品やサービスを企業に提案してもらい、高齢化社会のモデルを発信する。

経済界も万博が地域経済を活性化する材料となり得ることは認める。しかし大阪府とは一定の距離感を保ち、誘致組織の立ち上げについても即答を避けた。

経済団体が重視するのは費用負担の問題だ。大阪府は会場建設費を1500億円余りと見込み、国庫支出金や補助金、民間拠出金での分担を想定する。松井知事は「経済界にも応分の負担をお願いしたい」と話した。

大阪府が万博誘致に関する初会合を開いたのは昨年4月。25年の万博開催を目指し、松井知事が旗を振ってきた。8月下旬には世耕弘成経済産業相を訪ねて協力を要請。国から「全力で応援する」とのお墨付きを得た。

経済界にはそんな松井知事のスタンスが独善的にも映る。ある経済団体の幹部は「当初から協力の要請はなく、費用負担を迫られる流れになった」と話す。不満はあちこちでくすぶる。

大商の尾崎裕会頭は経済団体を代表し「有形無形の経済効果が見え、本当に私企業としてお金を出す価値があるかを判断できないと、やりましょうとは言えない」と話した。ボールを持つ大阪府はどう納得を引き出し、懸け橋を渡すか。計画立案の期限は迫っている。

1日は万博問題のほか、大阪市と大阪大学が中之島地区で整備を目指す再生医療拠点に関して意見を交換した。人工知能(AI)やロボティクスを踏まえた新たなものづくり産業の育成についても議論した。

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