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ヨドバシ、梅田に1000室のホテル 訪日客争奪 客室増で単価下落も

家電量販店大手のヨドバシカメラは31日、JR大阪駅北側に商業施設やホテルなどが入る複合型高層ビル「ヨドバシ梅田タワー(仮称)」を建設すると発表した。ホテルの客室数は約1千室と大阪市内で最大級となる。インバウンド(訪日外国人)の急増もあり、大阪市内ではホテルの新設・改装が相次ぐ。訪日客の獲得競争が激しくなりそうだ。

ヨドバシ梅田タワーは地上34階、地下4階で高層階の9~34階がホテル、低層階の地下1階から地上8階が商業施設となる。完成は2019年秋。ヨドバシカメラによると入居するホテルは未定だが、運営ノウハウのある大手ホテルチェーンが入る見通しだ。ターミナル駅に近接する利点を生かしてインバウンドを取り込む。

大阪駅周辺はオフィスが多く、難波周辺と比べてホテルは少なかった。京都や奈良などの観光地をめぐる訪日客らにとって、大阪駅周辺は交通アクセスの点で優位にある。インバウンドが団体から個人旅行へシフトすると鉄道利用が高まり、ターミナル駅に近い立地は有望との見方もある。

今回のヨドバシ梅田タワーのホテルの客室数は約1千室となる見込み。大阪市内のホテルは200室程度が多く、リーガロイヤルホテル大阪(984室)に並ぶ市内最大級となる。

関西国際空港への格安航空会社(LCC)の就航便数の拡大などで訪日客は増加傾向が続く。大阪市内ではホテルの新設・改装ラッシュで、不動産サービス大手のCBRE(東京・千代田)によると18年末ごろまでには15年3月末比2割増の5万7500室程度になる見込みだ。ヨドバシ梅田タワーが完成すればさらに客室数が増える。

ホテルの客室数の増加に加え、供給面では民泊の影響も広がる可能性がある。大阪市内には8千室以上あるとされており、ロイヤルホテルの川崎亨社長も「将来はシティーホテルと競合する部分がでてくる」とみる。

実際、ホテル業界では懸念する声が出ている。一般的に大阪駅から離れるほど客室稼働率は低下する傾向にある。不動産サービス大手のジョーンズラングラサールホテルズ&ホスピタリティ事業部の寺田八十一氏は「阪神間や堺などのホテルが影響を受けやすい」と指摘する。

インバウンド特需で大阪市内の主要ホテルはこれまで値上げを進めた。ただ、足元の客室稼働率は約9割と高い水準だが、7月まで5カ月連続で前年割れだ。客室数の増加で選択肢は増え、単価が下がる可能性が出てくる。今後はホテル間での優勝劣敗が進みそうだ。(倉本吾郎、西岡杏)

           ◇

大阪駅周辺では大規模な再開発プロジェクトが相次ぐ。2013年開業のグランフロント大阪などを皮切りに、今回のヨドバシ梅田タワー(高さ約150メートル)などが加わり、高層ビルの林立が加速する。インバウンドでにぎわうミナミに話題などの面で押され気味だったがキタの巻き返しが進みそうだ。

最大の開発案件が「うめきた2期地区」だ。大阪駅北側の貨物駅跡地の16ヘクタールを26年度末までに再開発する。既に1次募集を通過した20事業者の提案を対象に16年度中に都市再生機構(UR)が再び公募したうえで絞り込む予定だ。再開発エリアの大部分は公園など緑地となるが、健康・医療施設や大学、文化施設が集まる。

阪神百貨店梅田本店を含む一体開発では22年春の完成を目指して工事中だ。完成すれば地上38階で高さ約190メートルのオフィスと百貨店からなる複合施設となる。大阪駅西側にある大阪中央郵便局跡地でも日本郵政西日本旅客鉄道(JR西日本)が共同で再開発し、高層の大型複合ビルになる見通しだ。オフィスを含めた大規模な複合施設の集積が進むとビジネス客など、ホテルにとっては安定的な需要が見込めるようになる。

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