サンフレッチェ移転地再検討 「みなと公園」優位見直し
広島市の松井一実市長、サンフレッチェ広島の久保允誉会長(エディオン会長兼社長)ら4者は10日、広島商工会議所で会談し、サンフレッチェ広島の本拠地移転の候補地を議論した。過去に県、市、商議所の3者で「広島みなと公園」が優位とした合意を事実上見直し、有識者の検討協議会で出た案の中から再び検討することにした。
松井市長、久保会長と広島県の湯崎英彦知事、広島商工会議所の深山英樹会頭(広島ガス会長)の4者が移転問題で会談したのは初めて。深山会頭は「みなと公園、旧広島市民球場跡地(の両案)は4者が納得する結論を得るのは難しい」と、候補地を再検討することで合意した。
深山氏は「新たな候補地の具体的な名前は今日はなかった」と話したが「全くの白紙ではない」と強調した。2013年6月~14年11月に開いた「サッカースタジアム検討協議会」で候補地案を9から2に絞った検討の経緯を遡り「(各案に)優劣をつけず再び検討する」とした。会長を務めた広島修道大学の三浦浩之教授から事情を聞く。
候補地には9案の中にある「広島中央公園の自由広場・芝生広場」案も取り上げるとみられる。検討協議会で最終回に委員の意見が球場跡地とみなと公園の両案に集中し「残り2つから比べると候補からは外れる」と結論を出し、その後の3者合意でみなと公園が優位とされてきた。
久保会長は「市民球場の跡地がベストと申し上げた。(市内中心部の他案について)まちづくりの観点で一帯が非常に活性化するのであればにぎわいの創造につながる。私も十分納得できれば協力したい」と話した。