水陸両用機で瀬戸内遊覧 まず広島・愛媛の村上海賊コース

2016/8/11 6:00
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広島県尾道市を拠点に瀬戸内海を水陸両用機で遊覧飛行する観光事業が10日始動した。造船・海運大手のツネイシホールディングス(HD、広島県福山市)グループの航空会社が運航する。まず広島・愛媛両県の村上海賊ゆかりの島々を巡るコースで営業を始めた。日本での水上機の商業運航は約半世紀ぶりという。国内外の富裕層を中心に新たな瀬戸内観光を提案する。

ツネイシHDの創業一族が経営に関わる地域振興会社、せとうちホールディングス(尾道市)傘下の、せとうちSEAPLANES(同)が運航する。尾道市と愛媛県今治市にまたがる、瀬戸内しまなみ海道で結ばれた島々の上空を約30分かけて遊覧飛行する。

尾道市のリゾート施設内に設けた浮桟橋「オノミチフローティングポート」からまず乗客7人が初フライトを楽しんだ。兵庫県の夫婦は「上空から島々を見る機会はなく、海もきれいだった」と満足していた。

飛行コースは戦国時代を中心に活躍した村上海賊を主人公としたベストセラー小説の舞台であり、4月に文化庁が日本遺産に認定した話題性のほか、瀬戸内海らしい多島美が楽しめることから設定した。11日から当面はこのコースで1日4便の運航を予定する。

8~9月は特別運賃とし、大人(12歳以上)が平日2万4000円(税込み)、土日・祝日2万9000円。10月以降はそれより8000円高くなる。インターネットで事前予約すると5%の割引が適用される。英語での予約にも対応し、インバウンド(訪日外国人)も呼び込む。

現在は4機を所有するが、今年度中に8機に増やし、操縦士の養成など運航体制を増強する。利用が伸びれば増便も検討し、今後は香川県の直島や小豆島、広島県の宮島なども遊覧コースに加える予定。関西国際空港など近隣空港とのチャーター運航にも対応する。

せとうちSEAPLANESは2014年に設立され、16年1月に国土交通省から航空運送事業の認可を得た。操縦士など社員の多くは航空会社のOB。日本航空専務だった同社の松本武徳副社長は「瀬戸内海は上空から見るとさらに美しい。安全を第一に考えながら、全国に水上機を普及させたい」と述べた。

使用する小型の水陸両用機は米クエスト・エアクラフト社製で操縦士も含め10人乗り。せとうちHDは昨年2月にクエスト社を買収し、今年1月に三井物産の出資も受けた。せとうちSEAPLANESを通じて同機のフライトスクールを開くほか、同様の遊覧飛行事業を国内外に広げることも検討する。

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