電子書籍読み放題、夏の陣 楽天も参入

2016/8/10 1:00
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楽天は9日、約200種類の電子雑誌を月額410円で読み放題にする新サービスを始めたと発表した。楽天にとって読み放題サービスは初めて。従来は単品販売のみだったが、読み放題サービスは会員を囲い込みやすい。今月に入り、電子書籍・雑誌で国内首位のアマゾン・ドット・コムも参入するなど将来は主戦場になる可能性もある。競争が激化する中、公正取引委員会がアマゾン日本法人に立ち入り調査に入る事態も生じている。

電子書籍・雑誌市場は伸び続けているが、単品販売では他社との品ぞろえの差異化が難しくなっている。読み放題サービスは価格競争が厳しく、単品販売に比べ利益率は低いもようだが、パッケージによって他社との違いを打ち出しやすい。勝ち残りをかけた「陣取り合戦」が始まった。

アマゾンを追う楽天が始めた「楽天マガジン」はスマートフォン(スマホ)やタブレット端末の専用アプリで、電子雑誌約200誌を読める。「CanCam」や「GOETHE」「おとなの週末」など幅広いジャンルの人気雑誌をそろえた。

1年以内にも雑誌の記事から自社サービスへの連携も始める。例えばスイーツの紹介記事から画像をタップして通販サイトの購入ページにアクセスできるようにする。

アマゾンも3日から月額980円で電子書籍・雑誌が読み放題になる「キンドルアンリミテッド」を始めた。和書12万冊、洋書120万冊と、国内最大のタイトルを取りそろえている。

読み放題サービスに火をつけたのは、NTTドコモが2014年6月に始めた「dマガジン」。月432円で電子雑誌160誌の読み放題で、開始後約2年で300万人の利用者を獲得するなど、読み放題サービスが急速に普及しつつある。

楽天やアマゾンの電子書籍・雑誌事業は従来、単品販売のみだった。楽天は売上高を公開していないが、大手出版社によると「単品販売でアマゾンは市場全体の半分を超え、同じタイトルでも楽天の売り上げはアマゾンの半分にも満たない」という。「年々両社の差は広がっている」という中で、後れを取っていた楽天が新サービスで巻き返しをはかる。

ヤフーは電子書籍大手のイーブックイニシアティブジャパンに対してTOB(株式公開買い付け)を実施。電子書籍販売で47万冊をそろえるイーブックの集客力を取り込む。共同で調達などをすることで、作品数の拡充を目指す。

インプレスの調査によると、2015年度の電子書籍・雑誌市場は14年度比29%増の1826億円。20年度には3480億円とほぼ倍増する見込みだ。成長市場を取り込もうと、各社の陣取り合戦は一段と熱を帯びそうだ。

(荒尾智洋、花井悠希、八十島綾平)

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