中国スマホ大手・酷派、年1億台の販売計画
【香港=粟井康夫】中国のスマートフォン(スマホ)大手、酷派集団(クールパッド)は資本・業務提携した同国ネット動画配信大手の楽視網信息技術(LeEco)とのスマホ販売台数を2年以内に年1億台に引き上げる方針だ。2015年実績の4倍にあたる。ネット経由の販売に注力して、中国市場で華為技術(ファーウェイ)などに次ぐ3位入りを目指す。
酷派の蒋超・副主席が香港での記者会見で明らかにした。楽視網との提携で研究開発部門やサプライチェーンの統合を進めるとともに、ネット経由の販売割合を現在の20%から50%に高める考え。8月には共同開発した新ブランド「Cool 1」の低価格機を発売、若者層の開拓を目指す。
楽視網は自社ブランドのスマホを手掛けているが、蒋氏は「酷派は2000元(約3万円)以上、楽視網は1500~2000元、Coolはそれ以下の価格帯を扱う」と話した。酷派と楽視網は今年、合計で5千万~6千万台の販売を目標にしている。
楽視網は2015年夏に酷派に出資。8月までに株式を約29%まで買い増して筆頭株主となり、楽視網の創業者、賈躍亭董事長が酷派の主席に5日付で就いた。楽視網は7月に米テレビ大手のビジオを20億ドル(約2000億円)で買収するなど事業領域を急速に広げている。