NTTの4~6月、純利益26%増の2436億円 携帯収入増
NTTが5日発表した2016年4~6月期連結決算(米国会計基準)は、純利益が前年同期比26%増の2436億円となった。四半期の純利益としては2008年1~3月期以来の高水準となった。NTTドコモの携帯通信収入が増加したほか、地域通信会社であるNTT東日本、NTT西日本の費用抑制が貢献した。
営業利益は36%増の4873億円となった。営業利益の増加幅1286億円を事業別に分解すると、最も寄与したのはNTTドコモが担う移動通信事業。データ通信を中心に1人当たり月間平均収入(ARPU)が伸びて収益を押し上げた。
次いでNTT東西が担う地域通信事業が567億円の営業増益要因となった。昨年2月の光ファイバー回線の卸ビジネス開始に伴い、光回線の販促費が抑制できた。
NTTは17年3月期から、減価償却方法を「定率法」から「定額法」に変更した。これによる4~6月期の減価償却費の減少額はグループ全体で540億円にのぼった。
売上高に相当する営業収益は微増の2兆7167億円にとどまった。NTTドコモの増収分を、NTT東西の減収が相殺した。固定電話の利用が減っているうえ光回線の卸価格が小売価格に比べて低く、NTT東西は営業収益が伸びにくい状況が続く。
ただ、NTTの鵜浦博夫社長によると、卸による収入減は「ドコモやNTTコミュニケーションズの光回線小売りでカバーしている」。グループ内の光回線ビジネスをひとくくりでみると、前年同期比で増収を確保できたという。
2日に、公正取引委員会が携帯端末販売などの商慣行に関する問題点を指摘した。鵜浦社長は「これからいろんな検討をしていく」としたうえで「財務への影響はプラス、マイナスも当然出てくる」とコメントした。