子宮頸がんワクチン、4地裁で一斉提訴 63人「健康被害」

2016/7/28 0:22
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国が接種を呼びかけた子宮頸(けい)がんワクチンが全身の痛みなどの健康被害を引き起こしたとして、全国の15~22歳の女性63人が27日、国と製薬会社2社に1人当たり1500万円の損害賠償を求め、東京、名古屋、大阪、福岡各地裁に一斉提訴した。同ワクチンを巡る集団訴訟は初めて。接種と被害の因果関係が司法の場で争われることになる。

同ワクチンは英製薬会社グラクソ・スミスクラインの「サーバリックス」と米製薬大手メルクの日本法人MSDの「ガーダシル」。これまで接種と症状の因果関係を明確に認めた研究結果はなく、国と2社は全面的に争うとみられる。

提訴したのは東京28人、名古屋6人、大阪16人、福岡13人。訴状では、同ワクチンによる過剰な免疫反応で神経障害を引き起こしていると主張。国が有用性のない医薬品を承認、定期接種の対象にしたのは違法で、2社には製造物責任があるとしている。今後、各自の症状に応じて賠償請求額を増やす。追加提訴も予定している。

厚生労働省は2009~11年に同ワクチンを承認、10年から接種への公費助成を始めた。13年4月には小学6年~高校1年を対象に定期接種としたが、健康被害の訴えが相次ぎ、同年6月に接種呼びかけを中止した。同省によると、今年4月末までに約339万人が接種を受け、2945人から健康被害の報告があった。同省は「因果関係の解明にはさらに研究が必要」とし、呼びかけ再開のめどは立っていない。

提訴を受け、厚労省は「現時点でコメントは差し控えたい」とコメント。グラクソは「臨床試験で高い予防効果が示されており、ワクチンの有効性が副作用のリスクを上回ると確信している」とした。MSDは「世界各国で承認されており、圧倒的な科学的エビデンスがあることから(原告の)主張に根拠はないと信じている」としている。

同ワクチンは子宮頸がんの主な原因であるヒトパピローマウイルス(HPV)のうち、50~70%を占めるウイルス型への感染予防を目的にしている。

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